2013年8月29日木曜日

犯人性・犯罪の成否

今日は修習で行っている勉強について。
修習で新たに学んだ「犯人性」という概念を中心に私の理解を書いていきます。
主に,検察起案と刑事裁判起案で書くことを要求されるのは大きく分けて「犯人性」と「犯罪の成否」。
これらの片方ないし両方を書くよう指示されて記録が渡されるので,1日かけて記録を読み解き,証拠により事実認定をするのが起案です。

犯人性とは,当該被疑事実(公訴事実)を行ったのが被告人であるかどうか。
直接証拠と間接証拠で認定する方法があります。

直接証拠(犯行目撃証言など)で認定する場合は,当該証拠の信用性判断です。見間違いがないか・嘘をついていないか等を他の証拠等から認定します。
間接証拠で認定する場合は,犯人が行った行動と被疑者・被告人が行った行動をそれぞれピックアップします。
それぞれの類似点・一致点を判断し,各証拠が持つ推認力を総合し,被告人が犯人であるか否かを認定します。

犯罪の成否とは,司法試験の刑法の答案と似ています。
各犯罪事実の構成要件をピックアップし,構成要件の意義を述べ,所与の記録から証拠による事実認定を行い,事実の意味づけを行うことで認定した事実が構成要件に該当するという作業をします。

これら2つの認定は根本的に適用場面が異なります。
受験段階では「犯人性」という概念は意識せず,問題文は所与の前提としてとらえるのが適切だと思います。
例えば,「刑事事実認定重要判決50選」などは,犯罪の成否についての判断要素を学ぶために受験段階から使うのも有用なのですが,犯人性の認定にのみ役立つ項目もあるので,取捨選択はきっちりする必要がありますね。

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