2014年10月23日木曜日

ご質問にお答えします!(その7)

ネタに困ったときのask.fmまとめ。


その7ですね。質問もかぶってきますが,できるだけ


「以前お答えした」


という回答にしないようにはしているつもりです。



司法試験に関係ありそうな質問をまとめてます。
一応,軽くチェックはしていますが,回答時の主観であることはお忘れなきよう宜しくお願いします。




1.辰巳の趣旨規範ハンドブックを使用されたようですが、規範やその理由をどの程度吐き出せる感じで、覚えていましたか?
全部キーフレーズを出せるレベルですね。
一言一句覚えて吐き出す必要はありませんしむしろ有害ですが,概念を理解したうえで重要な一言を切れよく出すのは必要かと思います。


【参考】=現在改訂作業中のようですね,直接書店で!=


2.理屈ではわかっていても、実際には時間との兼ね合いで論点に飛び付いた感じの答案になってしまうのですが、これはやはりまずいでしょうか?
合格答案にも、意外と論点に飛び付いた感じの答案が多い気がするのですが。

結果的にそうなる、というのと最初から諦めるというのは違います。
論点飛びつき答案で受かるとしても、飛びつかない方がいいと思うのであれば本番まで飛びつかない練習をすべきでしょう。

で、問いに答える、事案の解決という観点からは論点だけ書けばいい、という風にはならないと思います。




3.何をどれくらいやれば合格できるのかという考え方ではなく、自分に何か不足しているかという発想で行動(学習)する方が合格しやすいと思うのですが、いかがでしょうか?

どちらの発想をとるにしても、目的(司法試験合格?1000番以内?二けた?)を定めて、自分と目的の距離を見定めるのは必須ですね。




4.学部生です。
ある程度一通り勉強し終わった後に、新司の過去問を解いてみるのは効果的ですかね?

効果的です。
司法試験を目指しているのであれば、「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉からわかるように、早い時点で目標のレベルを知ることは重要です。

「一通り」というレベルがどこかは各人の定義次第で不明ですが、少なくとも解説を見れば典型的な争点とその帰結がわかるようになっていれば、とりあえず問題だけでも見てみるのはいかがでしょうか?






5.予備校のいわゆる入門講座は受講されましたか?

してません。

ただ,入門レベルの方向性は早く定めたほうがいいので,条文や判例を意識させるような入門講義
(赤木先生@akagilawのものなど)
は受けておいたほうがいいのかなぁと思います。





6.民訴についての質問です。
ロースクールでロースクール民訴をテキストをしていないのですが、単独でロースクール民訴の問題を検討する必要はありますか?

したほうがいいかしないほうがいいかで言えば,したほうがいいと思います。

ただ,コストとの観点でいけば,
「私は」
「司法試験合格のためには」
ほかにやるべきことがあるのではないかなぁと思います。





7.三振したらどうすればいいですか?

厳しいことを言います。

三振した後を人に聞くようなメンタルだと、受かっても苦しむと思います。
私もまだ道半ばですが、司法試験に合格してもまだまだ苦難は続きます。

落ちると思っていませんでしたが、私は二回試験に落ちた時の準備もしていました。

もっというと、受かった年の司法試験に仮に落ちた場合の準備もしていました。
各状況を想定し、自分にとって最適の答えを出す能力は司法試験受験にも求められるのではないでしょうか?

つかんだ答えがご自分の宝になると思います。






8.受験指導されていて、この人なかなか合格しないなあと思う人のタイプを教えてください。

合格しない「だろう」なぁという人。

  1.こだわりが強すぎる人
  2.こだわりがなさすぎる人

ですね。

私は2のタイプだった(今も本質的にそうです)ので苦労しています。










9.司法試験関係でためになるブログがあれば、教えてください。

私のもの以外で,という話ですよねw


おでんや(Yu Numakura)さんのまとめ

https://twitter.com/odenya2/status/520751493960314880


や,

はしもとさんのまとめ
https://twitter.com/choco_sundae1/status/509301773857587201


は私も参考にしていたブログが多いです。







10.旧司法試験の論文過去問を検討するのにいい問題集ありますか?

あくまで昔の記憶です。

かつ、旧試は記念受験程度ですのでその点ご容赦ください。
スタンダード100は問題量が多く使いやすかった気がします。
後は柴田先生とか。


ちなみに,私の認識としては,優先度は

新司法試験過去問>>予備試験過去問>>定評のある問題集≒旧試験過去問

くらいです。
【参考】
 

2014年10月9日木曜日

平成26年司法試験予備試験(論文式)の結果について

本日は予備試験論文の結果発表がありました。


http://www.moj.go.jp/content/001127750.pdf


以下,情報を。


 受 験 者 数 1,913人(うち途中欠席13人)


 採点対象者 1,900人


 合 格 点 210点以上


 合 格 者 数 392人


 採点対象者の最高点等

(1) 最高点 318.23点

(2) 最低点 48.70点

(3) 平均点 177.80点



とのことです。



ちなみに短答式の受験者は10,347人ですね。

ざっくりいうと,1万人が400人になったということです。

数だけ見ればすごい倍率ですね。




そして,去年の論文合格者数が381人。今後も400人合格あたりで推移するのでしょうか。



来年の司法試験に向け,いわゆる「予備試験組」の占める割合は今年と同程度(リベンジ組が入るので少し割合が下がるかもしれません)になりそうですね。




合格者の方,おめでとうございます。


私は未体験なので軽々には言えませんが,ブログやツイッター等で口述対策に向け,有益な情報を発信してらっしゃる方がいるので,そちらで情報収集を行い,口述であしもとをすくわれないようにしてください。



来年受験してやろう,という方。短答論文でそれぞれ5分の4がふるい落とされる試験は簡単ではありません。

もっとも,過去問を分析する限り,司法試験で問われる能力が予備試験でも問われている,ということは間違いがないと思います。



そうであれば,


司法試験短答(科目数は変わりますが)に向けた条文判例の知識

問題文を時間内に分析し,法曹の共通言語で表現する力



は必要ですし,細かい部分に差異はあれど,根幹部分は同じ対策でいいのではないかと思います。





いろいろ騒がれていますが,現状は法科大学院を卒業するか,予備試験に合格すれば司法試験受験資格が得られます。


司法試験の採点は書面(とマークシート)のみで行われるので,どちらのルートであろうが合格するために必要な能力は変わりません。


周りが気になるかとは思いますが,淡々と勉強に励んでください。

     

2014年10月7日火曜日

「絶対にすべらない答案の書き方」と「結論から書く司法試験答案」と,「ハコ思考」(書評)

以前,ask.fm経由で「絶対にすべらない答案の書き方」と「結論から書く司法試験答案」を読み,どのような感想を持ったかを質問されました。

もっとも,2冊とも読んだことがなかったので,質問されたのを契機に購入し,一読してみました。



結論から言うと,両者ともに司法試験にとって「使える」本であることは間違いないと思います。

以下,それぞれにつき私なりのレビューをさせていただきます。



①「絶対にすべらない答案の書き方」

辰巳講師の福田先生が書かれている本です。



私とは違った,しかし似ている視点(失礼かもしれませんが…)から合格のためにどうすべきかという点につき1冊の本にしています。


滑る答案・すべらない答案を明快に分類している点が(各論の一部に私の考える見解と相違はあれど)わかりやすくてよかったと思います。



全200ページ程度で,図表などを駆使していますので,かなり読みやすいです。



各科目についても簡単に言及されており,受験生は一読して損はない本かな,と思います。



ハコレジュメ(現在100ページ程度かな?)を書籍化するならこのような形になるのかな,と思うものでした。










②「結論から書く司法試験答案」

田中嘉寿子先生が法学セミナーに寄稿されたものです。
実際に多数の方を指導された経験から,答案の書き方について思うところを教授していただいています。

・・・こちらも,マスターすれば武器になります。

司法試験の答案において,結論から書かなければならないとは思いませんが,書き方として身についているのであれば問題はないと思います。

参考答案くらいのレベルで安定してかけるのであれば,文句なしの合格だと思いますので,「これで行く!」と決めて結論から書くスタイルを徹底してみるのもいいかもしれません。














2つを読んだ結果の感想。


合格のための答案の書き方は結局,似通ってくるんだな,と思いました。

「結論から~」にしても,形式(表現)面で多少の際はあれど,法律家の共通言語たる三段論法を正確に書く,という方針自体は一緒なんじゃないかと思います。



私の指導手法である「ハコ思考」についても結局元をたどれば同じことだと思います。

それを,いかにわかりやすくお伝えするかという点が永遠の課題。

答案でもそうなんですが,今,何についてお話ししているかという点は常に考えないといけないと思います。




なお,今後も書籍購入の参考にはさせていただきます!

(全て購入していると予算的に厳しいので買う本は選びますが)


今回は2冊とも今後の講義に使える部分もある「アタリ」の本(語弊がありますが)でよかったです。


「ハコ思考」も,書籍化できるよう鋭意努力いたします!

書籍化したい!





<ちなみに電子書籍は既に出版しています>

「独占禁止法のハコ」


「当たり前六法」


「司法試験合格シミュレーション1」


書籍については,現在「司法試験合格シミュレーション2」を鋭意作成中です。

できるだけ早く出版できるよう,がんばります。



2014年10月4日土曜日

平成26年司法試験出題の趣旨(の読み方)

出題の趣旨が発表されましたね。

http://www.moj.go.jp/content/001127521.pdf

例年9月中に発表されていたところ,少し遅くなったことにいかなる意味があるのか。


邪推しても仕方のないことですが,受験を支援している身としては早く出してほしかったところですね。



一読したところ,すでに速報や分析を行っている刑事系・民法・民訴について大きく外れるところはなかったようです。

少なくとも,私が分析している程度のことを本番で表現できれば大きく外した答案にはならなかったのではないかと思っています。

刑法の丙の扱いが趣旨でも濁されている点・刑訴問2で,「要否」につきH13判例につき紙幅を割いている点など,どのような意図か100%わかっていない点もありますが。



内容の分析はすでにいろいろな方がされているので,私は気を付けたほうがいい点を改めて。


こういう資料が出た時に真っ先に目が行くのは,「何が書けた・書けなかった」という点だと思います。
実際に,それで構わないとも思います。

もっとも,本当の合否レベルについては(何が書けた,という点も大事ですが)それ以前で決着がついているのではないかと思います。


実際に,ちゃんと書いた!と思っても,かえってきた点数をみたら評価されていないということがままあります(予備校答練でもありますよね)。


それは,「何を書くか」ではなく,「どう書くか」のレベルで差がついているのではないかと思います。

「書けているのに点がついていない」

と思った方は、今一度

「本当にその書き方で相手に伝わるか」

という点につき検討して見るのもいいと思います!


ぶんせき本や,上位合格答案集などを見て,「どう書くか」という点につき考えてみてはいかがでしょうか。


  

出題趣旨を上手く使い,合格に必要な力を蓄えましょう!