2013年10月27日日曜日

結果を出す「法律文章の書き方」

2013年10月26日15:00に、木山泰嗣先生による、表題の講演が大阪大学であり、聞かせていただきました。



私は
「センスのよい法律文章の書き方」(後日レビューします、オススメの本の一つです)
という本を読み、興味があったので先生のお話を聞けてよかったと思っています。


主催が阪大ローという事で、木山先生はロー生を対象にしていたようです。

試験対策という観点からのお話も多くしていただきました。


木山先生は責任のある地位、多数の訴訟、多数の裁判官とのやりとり、勝訴経験、敗訴経験を早くから積むことで、「結果」を出す文章術を身につけたとのことです。

早くからの濃密な経験が後の実力に結びつくのではないか、と感じました。


経験を積む方法の一つとして、訴訟記録の閲覧を例に出し、説明いただきました。

事務所で「勝訴研究会」をなる勉強会を作成し、裁判所に訴訟記録を閲覧しに行き、勝つ訴訟の証拠、主張がどのようなものかを徹底的に分析していたそうです。






もちろん、肝心の「結果」を出す文章とは、どのようなものか、という点も説明していただきました。


私が理解したように説明して見たいと思います。







文章とは、評価する人に向けたもの。

評価者に向け、文書を書く人が望む目的に達するために書くものです。


文章を書くには必ず目的があります。

文章とは何かを伝えるもの。
訴訟文章は裁判所に伝えるもの。
司法試験の答案は採点委員に伝えるもの。



結果を出す文章は、結果の獲得(目的の達成)のために書く。

このことを大前提として、文章を書くことが必要。


読み手の立場を意識し、答案を通じてサービスする意識で書くことが大事であること。




具体的には、判定しやすい文章、時間をかけずにOKという結論を出すことができる文章であるということが重要です。





これらを繰り返し仰っていました。





総じて木山先生が仰っていたことは、表現の「ハコ」をより抽象化したものという印象でした。






私は、より試験対策的に特化して「表現のハコ」を作成することで、司法試験を乗り切る術を身につけてもらおうとしています。

これから実務に出て、センスのよい法律文章の書き方を模索して行きます。




木山先生が仰っていたことは、本質であるがゆえに、精緻化して行くのは聞き手である我々の仕事であると感じました。




木山先生、ありがとうございました!!






しかし、1.5時間の講演会で100名程度集まるのは羨ましい。

教育機関での講演会もやって行きたい仕事の一つです。

自らのコンテンツ力を高めなければ、と思ういい機会になりました。


2013年10月26日土曜日

進歩する「ハコ思考」

ラベルを付けるために以前の記事を整理していると,「ハコ思考」というタイトルの記事が出てきました。


曰く,

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>>【勉強】合格答案のイメージがより具体化してきた。

要は、「整理」。
三段論法も、論証パターンも、知識も、当てはめも。
事案を整理して常識的な結論を出せばそれ相応の点がつく。

【勉強】改めて意識した理由は、答案添削。不合格者にも関わらず、答案添削をよく求められる。
添削中に、読みやすさを意識した。

自分の答案も意識しないと途端に読みにくくなる。自戒。
やっぱりハコ思考は間違っていない。



ハコ思考の鍵は、自分の力をいかに10伝えるかということ。
10の力をハコがないことで6しか伝えられないより、8の力をハコにより分かりやすく8伝えることができれば、後者の評価が高くなる。



>>ハコ、というのは伝え方のことです。その大枠をあらかじめきめておくことで、相手方に分かりやすく、内容だけに集中してもらう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とのことです。(全文はこちらhttp://siominn19851225.blogspot.jp/2011/11/blog-post_14.html。)




まだまだ稚拙ですが,表現の「ハコ」につき,受験生段階から意識していたといえます。




現在のハコ思考は単純に言うとこんな感じ(昨日つぶやきました)

ここから,受験生段階で分析のハコ,知識のハコがあることに気付き,活用していったといえます。




答案の質は知識*分析*表現*体調です。

司法試験に安定的に合格するには、

1.知識は択一安定合格レベルのもの
2.分析は訴訟ベースの思考体系
3.表現は三段論法・原則例外の徹底
4.体調は心身の健康

が必要です。


各段階で定型的な視点があり、それを「ハコ」と呼んでいます#ハコ思考の整理







今後もさらに進化させていくので,ハコ思考をよろしくお願いします!!



2013年10月25日金曜日

弁護修習まとめ(ホームグラウンド編)


66期の段階で,司法修習は2ヶ月ずつ,6クールに分かれています。



まず各実務修習地に分かれ,4クールの実務修習(弁護,民事裁判,検察,刑事裁判)を行います。



その後,5クール目の2ヶ月は,関東関西組(いわゆるA班)は和光で集合修習を行い,それ以外の地域(いわゆるB班)は実務修習地出自分でカリキュラムを選択する選択修習を行います。


そして6クール目にはB班が集合修習,A班が選択修習を行います。


6クールを終了して二回試験を通過すればはれて修習終了,実務家になることができるというスケジュールです。





本日は選択修習の中でも特にホームグラウンド修習のお話を。




選択修習の中で,唯一の必修カリキュラムがホームグラウンド修習です。


各弁護修習の配属先に戻り,弁護修習のロスタイム(失礼)を過ごすのです。

私は2013年10月15日~10月25日(ブログ更新日)の2週間を過ごしました。



A班の修習生は選択修習の最後のほうにホームグラウンドを集中させ,二回試験の勉強に励む方もいるとかいないとか。




もっとも,私はもったいないのでがっつり弁護修習をしました。
内容が書けないのが惜しいほど,実のある2週間を過ごしました。指導担当の先生に感謝!!


私は第1クール(12月,1)の右も左も分からない状況で弁護修習を行ったので,気づけていない点も多々ありました。


法曹三者を一通り見て,集合修習で実務家としての基礎を教わった段階で弁護修習をもう一度することは,新たな視点で事務所を見ることにつながり,違ったものを得ることができると思います。



そして,弁護修習段階で触れた事件の顛末を見ることで,落としどころ・見立ての再確認をすることができます。


実際、ある書面で指導担当の先生に
「実務家の書く書面になってきた」
と言われ、とてもうれしく感じました。

また、
「実務に出ることを意識して修習に取り組んでいるのがわかる」
と言われ、これもうれしく感じました。



ホームグラウンド修習を利用すれば,弁護士としての(擬似)経験を積めるのではないかと考えています。



後2か月後には実務家、準備を進めなければ!!

2013年10月21日月曜日

修習前に実務を感じるための書籍

刑事弁護プラクティスの書評を書いた後にこのような質問をしていただきました。



曰く,



――――――――――――――――――
 第67期司法修習生(予定)です。

ご質問させていただきたいことがあるのですが、刑事弁護プラクティスを今読んでいます。この本を読んでいて、弁護士が実際にどのように刑事弁護活動をなさっているのかを知ることができます。


そこで、ご質問させていただきたいのですが、このような感じの、民事弁護活動について記載されている本は何かご存じでしょうか。

よろしくお願いします。


――――――――――――――――――



ということで,民事弁護に限らず,



1 弁護士の日常を感じるために

2 民事弁護実務を感じるために

3 和光を感じるために



というテーマで(あくまで一修習生の意見として)簡単に書評を。




・弁護士の日常を感じるために


「こんなにおもしろい弁護士の仕事」
n>

 千原曜先生が弁護士の1週間をコミカルに書いてくれています。


 正直,千原先生が書かれている弁護士と,今の若手弁護士の姿とは似て非なるもので,時代が変わった感は否めないですが,それでも概ねは似た動きをしていると思います。

私は学部時代に楽しく読んでいました。


 修習に入る方は,そもそもすぐに様々な弁護士を見る機会がありますので,そのときに
「最近1週間どんな生活を送っていましたか?」
という質問をすることでこのような情報を得ることができると思います。



 加えて,twitterでリアルタイムに様々な先生方が日常をつぶやいてらっしゃるのでその辺のフォローで十分だと思います。






・民事弁護実務を感じるために

「若手弁護士のための民事裁判実務の留意点」


 弁護士任官もされた圓道先生が,若手弁護士が特につまづきやすい「実務家の常識」にあえて言及されています。

訴訟実務を肌で感じるのにうってつけだと思います。




「クロスレファレンス民事弁護実務」


司法研修所で民事弁護教官を務めたこともある京野先生が民事弁護実務をどう行うか,について書かれた書籍です。

上記「若手弁護士の~」と比較して詳細に書かれており
(その分「若手~」は実務家の常識に触れている点,わかりやすく記述をすることに紙幅を割いている印象)
非常に参考になります。





 民事弁護実務を感じる,というよりはこの2冊については弁護修習の副読本にするのがいいでしょう。


 私もすればよかったと悔いております。







・和光を感じるために

「和光だより」

刑事弁護教官を3年間勤められた大木孝先生が刑弁教官奮闘記としてかかれた本です。

新旧司法試験に合格された方がどのようにして和光で過ごしているか,和光での授業風景,そして刑弁をどのようにして学ぶかという観点が書かれています。



生活面だけ,勉強面だけ,両方通読,と様々な読み方ができると思います。





民事弁護における「刑事弁護プラクティス」のような本は寡聞にして知らないのですが,実務の感覚を知るため,「面白い」と感じた本を上げさせていただきました。

参考になれば幸いです。



何か民事弁護における「刑事弁護プラクティス」のような本あれば教えてください!



・・・・ないなら書いてみようかなぁ。

2013年10月18日金曜日

特に読むべき白表紙

67期の型の下へ続々,「白い悪魔」こと,シラビョウシこと白表紙が届いているそうです。



白表紙とは,司法研修所から送付される司法修習のための教科書です。

その中には事前課題もはいっているため,「研修所の白い悪魔」と言われているそうな。




もちろん,配布された白表紙に全て目を通し,修習の準備を万全にすることが大切です。



もっとも,ニュータイプではない一般の修習生にとっては就活やら家さがしやら遊びやら遊びやら遊びや(r
ということで,なかなか時間をとれないのも事実。




ということで,直近の先輩である66期の一意見として,

1.特に読んでおくといい白表紙

2.他の白表紙よりも読んでおいた方がいいのではないか?と思う市販の書籍

を紹介したいと思います。




1.特に読むべき白表紙


・民事事実認定のしおり(民事裁判・民事弁護で使用)
 
民事の事実認定はほとんどしたことがないはず。
以下で紹介するステップアップ民事事実認定と併読することで二段の推定や供述の信用性をはじめとする基本につき学ぶことができます。

*2013/10/20追記
67期から「事例で考える民事事実認定」に差し替えがあったようです。
早速67期の知人に見せてもらいました。

出版されれば購入します。多分。

イメージとしては、「しおり」をわかりやすくして、事例を加えた感じです。
冊子から製本されて小さくなり、持ち運びしやすくなっているのも好印象。



・検察終局処分起案の考え方(検察で使用)

検察の起案はとにかくお作法,「検察起案のハコ」が大事。
何をどこで書くか,という点をまず頭に叩き込むことで検察起案は乗り切れる!はず!!


・刑裁修習読本(刑裁で使用)

あの「サイ太」「ケイ子」が登場します。
それはともかく,刑事事実認定の考え方を学べます。
一読では難しいですが,一読し,刑裁修習を経て何回か読むことで本の良さが理解できるするめ本です。


・刑事弁護ノート(刑事弁護で使用,66期では後日配布)

刑事弁護起案の視点,「刑事弁護のハコ」を学べます。
なぜ後日配布なのかは,刑事弁護教官室がぎりぎりまで内容を詰めていたから,とのこと。


刑裁導入起案のための事実認定ガイド。(ホチキス止めのプリント)


<民事・刑事一審解説や新問研は読んでいる前提です>

・余裕があれば,事実記載例と民事執行・保全,民事弁護における立証活動,刑事弁護実務などを拾い読みするとよいと思います。







2.他の白表紙よりも読んでおいた方がいいのではないか?と思う市販の書籍


今日はとりあえず書籍名だけ。
<アマゾンリンク追記しました。><簡単な書評追加しました。>



・ステップアップ民事事実認定

 

民事実認定はまずこれ!第1部だけでも修習前に読んでおくと、証拠の認定手順がよくわかります。
書証のところがもろに司法試験に出たこともあります。




・民事訴訟における事実認定

アマゾンリンクなし。法曹会の本です。
上記ステップアップと「しおり」(67期は「事例で考える民事事実認定」)を深めたい方向けでしょう。




・要件事実マニュアル

   

名著だと思います。
辞書的な使い方もできますし、頻出の類型は通読もお勧め。




・民事訴訟マニュアル

   

同じく。岡口さんはいつ執筆されているのでしょうか?





・要件事実問題集/要件事実30講(どちらかでいいでしょう)


   

要件事実の学習は、事実認定メインとなった修習でも前提として押さえておく必要があります。
民裁の教官は、「主張整理あってこその事実認定」と繰り返し指導してくれました。





・クロスレファレンス民事実務講義




記事をご参照あれ。http://siominn19851225.blogspot.jp/2013/10/blog-post_21.html





・若手弁護士のための民事裁判実務の留意点



記事をご参照あれ。http://siominn19851225.blogspot.jp/2013/10/blog-post_21.html






・刑事弁護ビギナーズ


刑事弁護の具体的手法を学びたいならこちら。
どう動くべきか、ビギナーズという書名ながら、これをすべてこなせば、決してビギナーはないと思います。
刑事弁護する際に1冊参考書籍を読むならまずこれ!!





・刑事事実認定入門




事実認定初歩の初歩。刑裁修習読本を読む前に読んでおけば、理解が深まるかも。






・刑事事実認定重要判決50選(上下)

   

最近改訂されました。
事実認定の要素を抽出するために使っています(旧版を)。
殺意・近接所持あたりは必読。司法試験受験対策にも、余裕があれば。






リーガルクリニック・ハンドブック―法律相談効率化のための論点チェック―



実は修習に入って一番読んでいる本かもしれません。
机上の知識しか知らない司法試験合格者にとって、実務のノウハウを手っ取り早く教えてくれる本書のような本は貴重。
法律相談においては、この本を超えていくことを第一の目標に据えています。






・事例に学ぶ刑事弁護入門



刑事弁護ビギナーズのアップデート、というか更新されない部分の補強的意味合いで読むのにちょうどいい本。





・刑事弁護プラクティス



記事をご参照あれ。http://siominn19851225.blogspot.jp/2013/10/blog-post.html






・実例刑事訴訟法(Ⅰ~Ⅲ)

       

司法試験レベルは超えていると思います。
二回試験の小問対策に有用とか。






・条解刑法・刑事訴訟法・民事訴訟法

           

辞書です。

私は民事訴訟法は持っていないのですが、刑法、刑訴法はこれ以外見なくなりました。




我妻・有泉コンメンタール民法




財産法に関して最初にあたるのはこれです。
修習生はコンメンタール好きになるという噂は本当ですw



・LPシリーズ

      
 

改訂待ちの本が多く、貼れませんでした。
裁判官が書いた本、ということで無条件で一定の信頼度があります。



・・・・・思うがままに上げてみましたが,まだまだあります。

実務に役立つであろう本と起案に役立つであろう本も混然一体になっていますし。


これどうだろう??と思う本があれば周りの弁護士さんか,先輩(もちろんブログでの質問もお待ちしています)を頼ればいいと思います。




話は変わりますが,僕は修習開始に当たり,「本代」と「交際費」だけは糸目を付けないようにしていました(限度はありますが



貸与制という借金まみれの中で,つらいとは思いますが,白表紙やこれらの本を上手く活用し,共によい実務家になりましょう!!!





・・・二回試験の勉強せな。



2013年10月14日月曜日

大阪大学ゼミ見学

本日2013/10/14、大阪大学において、学生主催のゼミを見学してきました。


平成25年の民法、刑法について学んでいたので気づいた点を2.3コメントしてきました。




強く感じたことを箇条書きして見ます。






<全体>
・表現のハコ、すなわち、三段論法、原則例外が出来ていない答案がほとんど。

・現場で当然気づくべき誘導に気づけていない事がある。

・自分が今、いかなる条文のどの文言につき論じているか、迷子になっている答案が多い。

・配点を意識した答案作成が出来ていない。

・関連して、最終設問が走ってしまうなど、実質的途中答案が多い。





<刑法>
・行為を一つ一つ追えておらず、罪名を落としてしまっている。

・各論の話(放火)をする際、総論の犯罪体系を意識出来ていない事がある。

・総論の論点に引っ張られた結果、構成要件該当性の全要素を拾えていない。

・罪数軽視。





<民法>
・要件をすべて充足してはじめて効果が生じる、という意識に欠ける。

・当事者の主張反論からスタートしていないので、争点把握が不十分。

・条文軽視。

・問いに答える意識が不足。





もちろん、出来ている点も数多くありました。

特に、事実をピックアップし、それを評価するという意識を強く持っている所は良かったと思います。



ここに上げた点は、誰もが出来そうで出来ない、当たり前の事だと思います。

やっぱり、普段からいっているように、当たり前を当たり前にできれば受かります。


本日のゼミに参加された学生の合格を祈念いたします。

2013年10月12日土曜日

刑事弁護プラクティス

刑事弁護プラクティスを先日読了しました。


桜丘法律事務所の櫻井光政先生の著書で、季刊刑事弁護での連載
「桜丘だより」
をまとめたものだそうです。

連載ベースなので、1編10ページ弱程度で1つ1つの活動がまるで物語かのように読む事が出来ます。

平易な語り口で、先生の文章力と人柄まで感じる良い本でした。


と、これだけではおそらくなんの参考にもならないので

1.修習生(と、おそらく若手実務家も)
2.法学部生、受験生
3.一般の方

それぞれにオススメポイントを適示したいと思います。




1.修習生、(とおそらく若手実務家も)
実際の事件に若手弁護士・経験豊富な弁護士がいかに対応したか。それぞれの先生方の具体的な弁護活動が書かれています。
自分が同じような事案に当たった時の手がかりになるのではないか、その意味で非常に面白く読む事が出来ます。
(私も興味深く読ませていただきました)



2.受験生、法学部生。
知識の多寡を問わない本で、具体的な弁護士の仕事がかいています。
法学部生であれば法曹を志す方でなくても
「弁護士ってどんな仕事してるの?」
「何故犯罪者の味方をするの?」
などという問い掛けを受けた事があるはずです。
この本は、そのような問いに答えるヒントになる可能性があります。
さらに、受験生であれば、弁護士の仕事がイメージでき、日々の勉強のモチベーションアップが可能です。



3.一般の方。
分かっているようでわからない弁護士の仕事につき理解していただく一助となるのではないか、と感じます。

刑事弁護人、少年付添人が
事件終了、はい終わり!
とならないことを知っていただければ何よりです。




と、この本は誰が読んでも良い本だなぁと感じました。

法律関係の書籍の中ではあまり高価でもない(1995円)のでとてもオススメです!



最後に1つ、この本に関する疑問点を。


この本の中では大変熱心な先生方が一つ一つ、素晴らしい弁護を行っており、基本的に成果紹介というスタンスで書かれています。

もっとも、私が見聞きした範囲(一般の方でも少し調べればわかる範囲)では、犯罪を犯した方の再犯率は高く、少年が更生するのも本当に稀だという事です。


もちろん残念な結果に終わってしまった話もあるのですが、実際の結果につき、アフターストーリーをもっとみたかったなぁ、どうなっているのだろう、と感じました。

2013年10月10日木曜日

予備試験論文式合格発表

本日2013/10/10、平成25年予備試験(論文式試験)の合格発表がありました。

結果はこちら。


http://www.moj.go.jp/content/000114909.pdf


合格者381名。ほぼ倍増。

100-200-400。倍々ですね。

採点対象者が1986人だったので、0.198、
ほぼ2割。


この結果は予想通りでしたが、ロー出身者としてはショックですねー。



合格者数が増えて、ロー出身者が事実上圧迫されるのはなかなか厳しい。

通った方は口述対策をできる限り行ってください。

せっかくなので今年受かってしまいましょう。


ダメだった方は、ロー生含め、来年も受けましょう。
バイパスがあるなら通るべきです。


あと、来年の受験生!
当たり前の事を当たり前にできる人は1000人程度です。

今から答案の骨組みを矯正してハコを作り、そこに知識を肉付けできれば間に合います。
あせらず、正しい方向に、できる限りの努力を!!

2013年10月9日水曜日

履歴書(自己PR)のポイント(その4)

またまたご質問をいただきました。

いわく,

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 私も質問者さんと同じ感じで,なんとなくやっていたらストレートできてしまって,順位も中位という感じで,ボランティア,サークル,ゼミとかもやっていないし,司法試験の戦略とかも特にないのです。 なので,自己PRのやり方は全体としては理解しているのですが,過去の具体的エピソードからPRにつなげるところで非常に苦労しています。 お忙しいとは思いますが,この部分にフォーカスした記事を希望します。

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うぬー,今までの記事でカバーできていると思ってましたが。

その1
http://siominn19851225.blogspot.jp/2013/10/pr1.html

その2
http://siominn19851225.blogspot.jp/2013/10/pr2.html


では,司法試験合格者の,法律事務所への就職活動につき,もう一度思う所を書いてみます。
特に,自己アピールの方法ですね。
多分前回の記事(http://siominn19851225.blogspot.jp/2013/10/pr3.html)とほぼ同じになると思いますが・・・

ひねり出し方としては,4つ。


1.過去の思い出からひねり出す

2.現在の習慣からひねり出す

3.将来やりたいことからひねり出す

4.他者評価からひねり出す



1.過去の思い出。
今まで生きてきて,思い出が0ということはないと思います。
0であればごめんなさい,僕にはこれ以上何も言えません。

0でなければ,その思い出にフォーカスしてください。
強く心を揺さぶられた経験から得た教訓・人生観などがあるはずです。それを弁護士業に生きる方法で表現するんです。


2.現在の習慣。
今,毎日をどのように過ごしていますか?
規則正しい生活をしているなら,そのことが書けます。
規則正しくないのであれば,直前期の集中力がアピールポイントです。
ウサギとカメの物語を思い出してください。みんな違って,みんないいのです。

現在の習慣から,何かいいようにいえるのではないかと思います。


3.将来の目標。
将来弁護士として何がしたいですか?そのために今自分は何をしていますか?

得意とする法分野を考えてみてください。
今後伸びるであろう法分野を考えてみてください。
新しいビジネスプランを考えてみてください。

それをそのまま書けば自己PRになっています。

「こういう需要がある→こういう弁護士が必要→自分はそのような弁護士になれる」

と言えばいいんです。


4.他人の評価。
全て思いつかない人の最後の手段。
人に聞けばいいんです。周りの10人にいいところと悪いところを聞いてみてください。
そこから自分の傾向のサンプルが生まれます。

悪いところは良いように言い換えてください。

就活のための自己分析としてアンケートをとった旨を自己アピールとして書くのもいいかもしれません。





以上。

そもそも,事務所の数は多く,皆個人事業主なので,何が気に入られるかわかりません。
私は「積極的すぎる」という理由で落ちたこともあります。

とにかく動けばいいんです。動いていくうちに,事務所研究をしているうちに自己PRのアイデアが増えてきます。


出会わなければ気に入られません。

動きましょう。
 

2013年10月6日日曜日

履歴書(自己PR)のポイント(その3)

またコメントをいただきましたので関連記事を。
やっぱり司法試験合格者の法律事務所の就活に悩む方は多いんですね。

何かの力になれれば幸いです。
前のブログと併せご覧ください。

その1
http://siominn19851225.blogspot.jp/2013/10/pr1.html

その2
http://siominn19851225.blogspot.jp/2013/10/pr2.html


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はじめまして。
67期の修習予定の者です。私は高校大学ロー、司法試験とストレートで来ました。
順位も合格者の中では真ん中ぐらいです。
これまで特にアルバイトをしてたわけでも、ボランテイアをしてたわけでもサークルやゼミに所属したわけでもありません。
特にこれといって目立つ点もありません。
問題発見して自分ならこう解決できるという非常に実務的なことについてなかなか書けません。
こんな平凡を絵に書いたような私でも書けるのでしょうか。
修習でお忙しいとは思いますがお答えいただけると非常に助かります。
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謙遜されてますねー。

全てストレートで真ん中くらいで受かる力があること自体、実力の証明になると思います。


ただ、就活を乗り切るためには、自分の能力いかにうまく伝えるか、という点が大事になると思います。


この間、ツイッターて話していたことと概ね意見が同じなので、以下特に意見が一致する点を編集しつつ引用します。


1.引き出すポイント

過去の自分の行動の傾向から自己PRを考えることが大事です。
未来の自分は過去の自分の延長。

志望動機については
「その事務所に所属することによって将来自分はどのような弁護士になっていたいか」
「その上でキャリアを実現するためにこの事務所に入ることか重要である」
という視点で書く。

2.具体的エピソードを探すコツ

①自分の人生において印象に残る出来事から引っ張り出す。
何らかの苦難を自分なりに乗り越えた経験に、能力が隠れているので、そこをアピールする。


②自分の性格、長所を他人に聞く。
複数の人に言われる長所は自分のアピールポイント。
短所は言い方次第で長所になります。

「できる大人のものの言い方大全」
という本が気軽に読めてオススメです。
面接やメールの言い回しにも役立ちますし。


③過去の経験で、何か成果が出せたものがあるならば、何故成果を出せたかを考える。
というか、皆様司法試験に合格しているのだからそこをどう戦略的に乗り切ったか、書くのもいいと思います。

そこから、自分が何を学びとったか、という視点からアピールポイントを考える。



3.自己PRをつくる
過去の印象に残る経験に加えて、現在の習慣なども書き得る点です。
さらに、将来的にしたい分野があるなら関連して何か行動すればいいんです。


以前相談を受けた際、
「自宅の周りに老人ホームが増えた。知り合いも入居している。知り合いの、引いては日本の高齢者の役に立ちたい。」
という方がいました。

その人には、
「具体的に老人ホームの増加数をまとめたり、ホームの知り合いにお話を聞いてまとめ、添付して送ればいい。それだけその分野に取り組みたいこと、行動力がアピールできる。」
とアドバイスしました。

なかったら作ればいいんです。つくるための行動が弁護士としての自分を形作ることもあると思います。

例えば、私は受験指導に関わりたかったので、合格発表の翌日に予備校を訪れ、合格者講義をしたい旨と内容をA4要旨3枚のレジュメを使いプレゼンしました。

何が正しいかなんかわかりません。
0かプラスなら動くべきです。





・・・まとまりがなくなってしまいましたが、
答えとしては

1.ひねり出せ!その方法は3つの記事と自分の内面に聞けばわかる!
2.足りなければ今から作れ!動けば評価される世界だ!


という事ですかね。
なかなかマッチョな結論になってしまい、反省してます(笑)

<誘導 その4>
http://siominn19851225.blogspot.jp/2013/10/blog-post_9.html

2013年10月5日土曜日

履歴書(自己PR)のポイント(その2)

司法試験合格者の法律事務所の就職活動について、引き続き書きます。


私が自己PRで考慮していたポイントは以下の4点です。


1.数で勝負

2.数字で具体性を持たせる

3.突っ込みどころを作る

4.事務所に自分が必要である事を書く



そのうち1.2.は前回のブログ


で説明しました。


今回は3.4について。



3.突っ込みどころを作る。

これはどちらかといえば面接対策かと思います。


履歴書にわざと矛盾(に見える)ポイントを作っておくんです。

そうする事により、面接の質問を一つ予測できる。

例えば、私は

・大学時代体育会で野球をしていた事

・ヘルパーとして働いていた事

・勉強と両立(三立)し、司法試験を目指した事

をすべて盛り込みました。


そうすると、
「期間がかぶっているけどどうしていたの?」
という質問が大抵飛んで来ます。

そこで、
「夜間主の大学にいて、昼は野球、夜は勉強、野球のオフシーズンにヘルパーをしていました。夜学で学ぶ事により、幅広い層の友人が出来、今でも深い交流を持てています」
などと答える事で一つ質問を乗り切り、アピールも出来ます。




4.事務所に自分が必要である事を書く

自己PRはなぜ要求されるのか?

弁護士として、事務所にとって有能な人材を探すためだと思います。

だいたいのセンテンスの語尾に、
「だから、私は貴事務所にとって有能です。採用してください。」
と書いて違和感がないよう、仕上げていました。


ローのESなんかでもよく言われるのですが、

・問題がある

・解決にはこのような方法がある

・私には解決する能力がある(他の人にはない、とまで言えればなおよし)


という思考の流れでPRすると良いと思います。


以上、ざっくりとですが自己PRについて記述しました。


<その3につづきますー>
http://siominn19851225.blogspot.jp/2013/10/pr3.html

履歴書(自己PR)のポイント(その1)

拙ブログにはじめてコメントをいただきました。

曰く、

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はじめてコメントをさせていただきます。
今年司法試験を合格した者なのですが、就活について色々と不安を抱えています。そこで、ひとつ質問させていただきたいことがあるのですが、
記事中に、「その点,私は採用担当の目にどう映るかを早期から考えて履歴書を書いていた」、というのは具体的にはどういったことを気を付けて履歴書を書いていたのでしょうか。
申し訳ありませんが、ご回答お願い致します。 


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>>その点,私は採用担当の目にどう映るかを早期から考えて履歴書を書いていた

この点ですね。

自己PRにあたり、どうすべきかという点です。

司法試験合格者の就職活動、主に法律事務所の就職活動につき、どうしていたかを書く第一として、自己PRにあたり、どうすべきかという点に答えさせていただきます。





私が自己PRを書く時に考えていたのは

・数で勝負

・数字で具体性を持たせる

・突っ込みどころを作る

・事務所に自分が必要である事を書く

の4つです。




1つ目。数で勝負。

自己PRなんて、読む人によって感じることが違います。
なので、手数は多い方がいい。アピールポイントは多い方がいい。

極上のアピールポイントがあればこんなことは考えなくていいのですが、私なんかは凡百の修習生だったので、とにかく数を書いていました。

例えば、
・野球をしており協調性や粘り強さがある
・事務処理能力が高い
・ホームヘルパーの業務経験があり傾聴のテクニックがある
・積極性があり、飲み会幹事を引き受けることが多い

などです。ひねり出せば何かとかけます。毎朝犬の散歩に行く習慣がある、という事だけでも自己PRにつなげる事ができると思います。



2つ目。数字で具体性を持たせる。

上記PRでは弱いです。
採用担当「ふーん」
で終わってしまうでしょう。

そこで、客観的な数字をだします。


例えば、
・大学時代まで野球をしており、大学時代は体育会で週6回練習をしながら、勉強と両立していた
・適性試験で○点を取り、全国○位、上位○%の成績を残した
・3年間仕事をしており、○名の利用者さんと会話した
・一年間で20件飲み会幹事をし、その中には初対面のメンバー40名を引き合わせる会もあった

などです。
能力の担保を数字で行う、というのは合理的だと思います。


長くなったので3.4は次のブログで。
<誘導>

2013年10月2日水曜日

当たり前六法(その2)

世の中にはツイートを複数まとめるトッギャッターというツールがあります。
僕のTwitter上でのつぶやきを善意でまとめてくださった方がいるので、それを簡単に見られるようにまとめて見ました。

それでは当たり前六法シリーズ(民事・選択)です!


【民法】


【会社法】


【民訴法】


【経済法】


あくまで僕の主観に基づきまとめたものなので、バイアスが多分にかかっているものとご判断ください。

あと、経済法以外の選択はわかりません、申し訳ないです!


直前期で何も手につかない時の精神安定剤として書いたものですが、いつ見てもそれなりに役立つと思います。


おまけ:当たり前精神論

最後に当たり前精神論を。

試験の際、1年8ヶ月後に実務についている自分を想像して下さい。

真ん中は団子です。
現場での頑張りで1000人は抜けます。
やめ、と合図されるまでは全力を尽くして下さい。

難しい問題では周りも戸惑っています。

当たり前六法シリーズを活用し、司法試験を当たり前に乗り切ってください!



<追記>

「当たり前六法」をまとめたものを電子書籍にしました。

内容は上記「当たり前六法」をパワーアップさせたものです。 


試験会場のお供にどうぞ!