2014年4月21日月曜日

途中答案防止策

司法試験本番も近づき,できることが少なくなってきました。

実戦的に何をすべきか,取捨選択が必要になってくる時期ですね。


本日のテーマは途中答案防止策。

司法試験の問題は容赦なく時間を削ってくるので,漫然と受験していれば途中答案になってしまう可能性が高いです。


そこで,戦略的に途中答案をなくすためにどうすべきかを検討してみました。

*なお,この記事は多分に安井飛鳥先生のツイートの影響を受けております。

http://togetter.com/li/138876


時間内に書き切れない理由というのは,ボトルネックがどこかにあります。それをまず把握するのが一番です。

大きく分ければこのようになると思います。




①文章を書くスピード

②問題文を読む時間

③書くべきポイントがわからない

④論証を思い出すのに時間がかかる

⑤自分の構成に自信が持てず書き始められない

⑥自分の力の把握不足






①スピード

劇的に変えるには、文房具を変えるのが効果的です。

私は万年筆ユーザーだったので万年筆を試すことをお勧めしています。


しかし,1月を切った今,慣れるまでの時間がないと思います。




今からできる実践的な方法としては,

「どこまで字を崩せば読めなくなるか を意識し演習する」

ことです。



字の綺麗さと速度はトレードオフです。

添削する側としては汚く書かれるのは望ましくはないのですが,



「読んでもらえるラインでできる限り早く書ける文字」


がどのレベルかというものを知っておけば崩すことは可能です。







②問題文


2回(以上)読みする方と1回で精読する方の2パターンに分かれるので、自分に合った方法をとればいいと思います。


私は2度読み派で,一度目はななめ読みしながら特定の基準で機械的に線を引いていました。

例えば,

・数字は無条件で青線を引く
・契約は赤の四角で囲む

など。


何らかの自分ルールを作ることをお勧めします。

問題の検討手順の定型化で時間を稼ぎましょう。






③書くべきポイント

書くべきかどうか迷ってしまうのは、当該条文や論点の本質が理解できていない証拠、正しい法的思考をしていればいかなる論点を書くべきか、というのは自明です。


とはいえ,取捨選択は難しいので,ガイドラインとしては,


「当事者の立場に立って、訴訟ならどのような主張をするか」


というものがお示しできます。

これが,「訴訟ベースの分析手法」です。







④フレーズの想起


論述するときに思い出す過程が入るとそれだけでスピードが落ちます。

考えながら書くことで,筆力が落ちるのであるから,考えずに手の運動ができるよう,思い切って構成の時間をとるのも手法です。

フレーズの想起に必要なのは最低限の暗記です。
キーフレーズからつなぐ意識で書いていけば, 論述の切れも変わってくると思います。

出来上がった規範や論証に頼り,時間を短縮することは必要ですが,覚えていなければ仕方ありません。

キーフレーズをもとに創作する覚悟が必要だと思います。







⑤構成

司法試験は緊張します。一つ一つの文章が得点につながり,(大げさではなく)人生を決めてしまうのですから,当然でしょう。

なので、ついつい


「もっとも難しいことが聞かれているのではないか」

「高度な分析を要求されているのではないか」

「周りが凄いことを書いているのではないか」


と不安になることがあると思います。
勉強が進んでいる人ほどこのような思いになることかと思います。


しかし,本試験だからと言ってで特別なことを書く必要はありません。


訴訟の場で当事者がどのような主張をするか,条文の要件を当てはめ,満たすか満たさないか。


当たり前のことを当たり前に書けばいいんです。


決断力を持って1文字目を書き出せば途中答案は少なくなるはずです。



 



⑥実力把握

当たり前ですが,自分の分析能力,筆力を認識しておいてください。

120分をどう使うか,構成段階で○分使い,各時間が○分あれば○ページかける,というレベルは当然として,



・焦っているとき
・わかっていること

であればどのスピードで書けるかを意識した論述を。



以上,途中答案防止策でした。




 


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  合言葉は「みんな読んでる当たり前!」です。


本試験5分前に見返し、外してはいけない「当たり前」の視点を記憶喚起するテキストです。

 
5分で5点、変わります。

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