2014年9月29日月曜日

添削を役立てるために

最近,再現答案の添削を受けることが多くなってきました。

手書きももちろんですが,PCで提出してくれる方が多く,コメントを入れる形式で添削しています。


添削している中で,形式面について,最低限こうしたらいいんじゃないかと思うことが出てきたので記事にしてみます。




①行・文字を本試験仕様にする


御存じの通り,司法試験の答案は1ページ23行です。

そこで,ワード1ページ23行で答案の表示を統一すれば,自分の答案が実際にどれくらいの分量なのか判断しやすくなります。


さらに,通常1行は27~8文字で,数字やカギかっこ等を踏まえると,大体1行35文字くらいになるはずです。


そこで,23行*35文字くらいにすれば,自分の答案が本試験でどれくらいの分量化把握できます。
再現答案であれば,実際に書いた分量と大きく異なっていれば「お化粧」や「書き洩らし」に気付く可能性も高まります。

文字数は個人差がありますが,行数に関しては変わることはないので,調整してみるのはいいかもしれません。




②コメントを入れる

なぜこの文章を入れたか,この表現にしたかを明示していただいていれば,添削の際に
「この書き方では伝わりにくい」
「こうすべき」
といったコメントを残しやすくなります。

その他,100%自分の役に立てるためには,大まかでもいいので,聞きたいことを明示しておくのは重要だと思います。




この2点は軽く改善できる点であり,役立ち度が高まるのでお勧めです。

合格のために上げられる効率は上げるのが吉ですので,軽く紹介させていただきました。



2014年9月26日金曜日

【速報】ハコゼミ京都・大阪で開講決定!

先日より申し込みを受け付けていたハコ思考ゼミですが,

無事,京都・大阪共に開講されることとなりました。



京都→10月1日(水)18:00~

毎週水曜日18:00~21:00で開講


大阪→10月4日(土)17:00~

毎週土曜日17:00~20:00で開講



どちらも全21回で,司法試験過去問を「ハコ思考」の観点から検討いたします。


初回は平成25年憲法を検討いたします。

受講される方はできれば開講2日前までに答案を書いてきてください。

  


第2回は平成25年行政法を検討いたします。

受講される方はできれば憲法のゼミ開催日に答案を持参してください。






なお,まだ人数には多少の余裕がありますので,辰巳京都・大阪各本校もしくは私にアクセスしていただければ受講手続を進めさせていただきます。


受講生の合格に少しでも寄与できるよう,微力を尽くします。

2014年9月15日月曜日

戦略ガイダンス補足

去る2014年9月13日。

来年絶対合格するための戦略ガイダンス


と称して,京都・大阪でガイダンスを行いました。



各1時間のガイダンスだったので,舌足らずになってしまった部分が多く,20日(土)のプレゼミ前ガイダンスにて補足すべきことも多そうです。



京都・大阪では
「こんな戦略論が聞きたかった」
という点,レジュメに示した項目につきどこをお話しするか,アンケートを取らせていただきました。


票数が多かったものは今後文章化し,何らかの形で公開したいと思っています。





以下,京都・大阪のアンケートを公開いたします(匿名性が薄れないように文面は改変しています



【京都】

10点満点中

10点・・・1名

9点 ・・・2名

8点 ・・・4名

7点 ・・・3名


戦略と総論を詰め込んでしまったので,少し満足度が低くなってしまった点,反省しています。

とはいえ,


「普通の人」の合格方法について着眼するのはありがたい
矯正の必要性についてわかった
自己分析を深める重要性についてわかった
リアリティがあった
モチベーションが上がった


など,一定の評価を得られたことは良かったかな,と思います。





【大阪】

反省を踏まえ,戦略面に集中してお話ししました(それでも時間不足でした…

10点満点中

10点  ・・・2名

9点   ・・・2名

8.5点 ・・・1名

8点   ・・・6名

7点   ・・・3名

ということで,京都の時よりはいい評価をうけたかな,と思います。


その上で,


短時間でありながら内容が充実していた
具体的な説明がよかった
いい意味で「普通」であることを意識している点がよかった
時間が足りない,もっと聞きたい
合格への戦略に説得力があった
声が大きく,聞き取りやすい(笑


というプラスの評価をいただきました。



今回のマイナス評価はほとんど時間面で,もっと聞きたい!というものだったので,時間内に多くを伝える技術を向上させる必要があるな,と感じています。



アンケートの結果,今後,文章化する予定の項目は,





上位答案・判例百選の読み方(10票を超えるぶっちぎりでした)

メンタルの保ち方

精神論の使い方(メンタルの保ち方とは違う側面から)

予定・目標の立て方(全日程及び1日)

「復習」について


くらいです。

上位答案・百選の読み方は近日中にブログで公開します。

もっとも,いたって「普通の」話なので,拍子抜けしないようにしていただければと思います。




以下,明日以降の無料講義の告知です。


1.京都産業大学民法公開講義

9月16日
13:00~京都産業大学で行います。

http://www.kyoto-su.ac.jp/graduate/pro/lawschool/news/20140916_koukai.html


平成26年民法を題材に,ハコ総論をお話しする予定です。

飛び入りでも私は構わないのですが,事務手続上一声おかけください。



2.ハコゼミガイダンス&プレゼミ


京都 11:00~12:00 ガイダンス
    12:30~14:30 プレゼミ

大阪 17:00~18:00 ガイダンス
    18:30~20:30 プレゼミ

大阪会場では,ゲストをお呼びしています(参加未定


冷やかし大歓迎ですので,ぜひハコ思考を感じてください。


プレゼミで使用する問題は


平成25年民法


  



 ですので,予習していただければ2時間がより有意義に使えるかもしれません。



おいでやせ,山の上・京都の町中・大阪!











2014年9月9日火曜日

平成26年司法試験合格発表

2014年9月9日午後4時、平成26年司法試験の合格者が発表されました。



合格された方、おめでとうございます!


ここから急速に流れ出す時を楽しんでください。









残念ながら不合格に終わってしまった方。

まず、一番はじめに言っておきたいことは



「筆記試験で不合格になっただけで、あなたの人格が否定されたわけではない」



ということです。





私はこの言葉に救われました。



とはいえ、落ちてしまったことは事実です。


明日の朝起きたら受かっている、なんてことはありません。


司法試験は文面審査です。

制度的に色々動きはありますが、今年の受験生の中で上位に入った方が合格されたということです。



受け止めて、立ち上がりましょう。



法曹になるには、普通の方は司法試験に合格するしかありません。



あなたが、法曹になりたいと思った時のことをもう一度思い出してください。


その思いが今もあるのであれば、再度立ち上がってください。



幸い、あと8ヶ月あります。何かを成し遂げるには十分な時間があります。


微力ながら応援いたします。

2014年9月5日金曜日

要件事実やらないか(要件事実入門レビュー)

遅ればせながら,岡口基一裁判官(と中村真弁護士)の新作である「要件事実入門」を購入し,ざっと読みました。


遅れたのは品薄で購入が遅れたからです。


以下のアマゾンのリンクでは,ブログの投稿(平成26年9月5日)時点で品薄,再入荷未定の状態です。



ツイッター・フェイスブックなどのご本人の宣伝が功を奏して(?)爆発的な人気になっているようですね。



とはいえ,宣伝のみでは人気は出ません。


内容が確かだからこそ,我々も「せり上がり」するってもんです。


その点は「要件事実マニュアル」「要件事実問題集」の著者である岡口Jへの高い信頼があります。






具体的な内容については,



1 民事訴訟の知識

2 要件事実論総論

3 要件事実論各論

ふろく 要件事実論を用いた司法試験論文問題の分析

エピローグ やらないか


と盛りだくさん。



他の方もおっしゃっていると思いますが,この本の特長として私が感じたのは,


・民事訴訟の知識で,要件事実の考え方の基礎の基礎をきっちり説明してくださっている点

・「要件事実論各論」で,新問研では物足りず,類型別では言葉足らずな部分を説明してくださっている点

・裁判官の知識・分析をもって司法試験民法を分析してくださっている点

・随所にネタがちりばめられている点(家等内科,ERDT,中村先生の漫画など)




ネタ以外の部分は勉強になる部分が多く,今から要件事実の勉強を始める方,要件事実をわかった気になっている方にちょうどいい本だと感じました。

辰巳法律研究所の看板講師である,西口竜司先生が,さっそく要件事実入門を用いた講義を行われるとのこと。




司法試験講師の立場からすれば,「ふろく」につき,「要件事実論を用いた」分析ということを意識したうえで,他の分析手法もある(要件効果論からの分析,あくまで民法のテストである)ということをしっかりいう必要があるのかな,と思いました。

とはいえ,どちらが正解ということはなく,問題文を法的に整理し,抽象論のフィルターを通して整理することで合格点が取れるテストですので,要件事実論を用いた分析を示してくれるこの「ふろく」は,単なる「ふろく」にとどまらない価値があると思っています。




いやー,すごい本が出たものである。

「せり上がり」がとまりませんなぁ。

2014年9月3日水曜日

9月無料ガイダンス・講義告知

9月のガイダンスや講義も続々決まってきました。

うち,無料のもの(参加自由のもの)を告知させていただきます。


①9月13日

「ハコ思考」でリベンジ合格した塩見恭平による
来年絶対合格するための戦略ガイダンス


辰巳京都本校 13時~14時

辰巳大阪本校 16時~17時


京都と大阪の内容は同一です。

一度落ちて戦略を練った自分の経験から,5月の試験に安定合格するために何をすべきかをお話ししようと思います。

ということで,ベースは「ハコ思考」ガイダンスなのですが,少し予定・計画よりの物になるかと思います。



②9月16日

京都産業大学 13時~15時

課外講座(民法)

http://www.kyoto-su.ac.jp/graduate/pro/lawschool/news/20140916_koukai.html

平成26年民法を使い,「ハコ思考」総論的なことをお話ししようと思っています。

締め切りは過ぎていますが,電話すれば何とかなるかもしれませんので,ぜひお申し込みを!





③9月20日

「ハコ思考」でリベンジ合格した塩見恭平による
来年絶対合格するための「ハコ思考」ガイダンス&ゼミ


辰巳京都本校 11時~12時,12時30分~14時30分

辰巳大阪本校 17時~18時,18時30分~20時30分

京都と大阪の内容は同一です。


こちらはいつものハコ総論+プレゼミ(平成25年刑法若しくは平成25年民法)です。

どっちの問題を使うか,確定次第告知しようと思っています。


ということで,いろいろ動きます。



ロー在学生及び択一で涙をのまれた方は是非お越しください。

スタートは早い方がいい。

というか,もう始められてますよね。



択一に合格して結果待ちの方は,合格を信じてこの記事を忘れてください。

13日の前に再度告知しますので。



2015年合格する方のために,今シーズンも微力を尽くします!


2014年9月1日月曜日

8月講義報告

もう少し早めに更新すべきでしたが,何かとバタバタしており遅れてしまいました。

まとめるのにそれなりの時間を要していました…

ということで,遅くなって申し訳ありません。



お盆の期間を利用して,東京・京都で立て続けに講義を行ってきました。


①8月14日@辰巳東京本校(youtubeで公開中)

②8月15日@学習院大学

③8月17日@辰己京都本校



①と③は基本的に同じことをしました。



平成24年刑法の問題を使用し,ハコ総論についてお話しするというものです。

こちらは司法試験受験生が対象ということで,いつも通りの講義といったイメージで臨みました。




②については,学部生のゼミを開催してくれとの依頼があったので,4時間超の講義でハコ思考総論(約2.5時間),各論(民法・刑法それぞれ1時間強)を行いました。

学部生向けということで,普段より噛み砕いて講義する意識でいましたが,講義中のリアクションを見てより簡単に・平易にというお話になりました。
予備試験についても所々で言及したりしましたね。


予習・講義を通して講義する側にとっても非常に良い経験になりました。



(*ゼミ開催は随時受け付けています!ロー生・学部生問わず,内容についても要望に応じてチューニング可能です。ツイッター・ブログへのコメントなどでアクセスしてください。)




①②③それぞれアンケートを書いていただき,いずれもそれなりの評価をいただきました。
以下,匿名性を維持するために形式面を少し改変して公開します。
何らかの参考になれば幸いです。




①東京本校(いずれも10点満点

10点  →2通

9点   →3通

8.5点 →1通

8点   →4通

7点   →1通

6点   →2通

5点   →1通



【良かった点】

・レジュメがわかりやすかった
・声が聞き取りやすかった
・答案があったのでイメージがつかみやすかった
・他の合格者が言及しないかゆいところに言及できているのがよかった
・思考過程を終えるように講義が工夫されていた
・当たり前の言語化という発想が新鮮だった


【悪かった点】

・各論があっさりしすぎていた
・刑法に限定されていた




②学習院大学

10点3名,9点1名

少人数では悪い評価は書きにくいので,点数に大きな意味はないと思います。


【良かった点】

<三段論法について>
・三段論法がどのように評価されるか(どの点が評価対象か)知ることができた。
・「法律家の共通言語」というフレーズが新鮮だった。意識する必要があると感じた。
・抽象論のフィルターを通すという発想がわかりやすかった

<ハコ思考の必要性>
・初めて触れる発想だったが納得できた
・定型化の思考方法を学べてよかった
・これからどうやって勉強を進めていけばいいか学べた
・新しい視点が得られた

<各法律の具体的処理手順について>
・争点思考,行為の切り出しの重要性につき学べたのでよかった。
・発想の仕方だ答案にこのような違いが出るのか,新鮮だった。
・一つ一つの要件に当てはめる重要性を学べた。



【悪かった点】
・時間不足になってしまう点があった。



【全体の感想】
・論文をどう描くのか,指導してもらう機会がほとんどなかったのでとても助かった
・他の科目の検討もしてほしい
・また来てほしい ←ありがとうございます,是非!(私信






③京都本校

10点  →5通

9点   →2通

8点   →3通

7点   →1通

5点   →1通

空欄   →2通



【良かった点】

・熱意を感じた
・分かりやすい言葉で聞き取りやすかった
・受講生の反応から,伝わっていないと感じた部分を丁寧にするなど,工夫されていた
・京都でぜひゼミをしてほしい ←開催にこぎつけたいと思います!(私信


【悪かった点】

・もう少し具体的にしてほしかった
・各論が少なかった
・公法系・民事系についてもガイダンスしてほしかった
・ハコ思考とは何か,わからなかった


というところです。




具体的にしてほしい,というご意見が多かったのですが,具体的な解説をしてしまうと,私の特長が消えてしまい,ただの解説会になってしまう可能性が高いので難しいという事情があります。


長時間聞いていただき,総論を最低1時間程度お話ししたうえで各論,という今のスタイルでないと土台がないため,結局
「わかった気」
になって帰るだけになってしまいますので。


何か解いて,難しいこと,新たな着眼点を聞くのは,その場ではわかった気になりますが,その人にずっと師事するのでなければ,土台がない付け焼刃の話であり,意味がないと考えています。



私が本試験の解説を90分以内でしようとすれば,どっちつかずの中途半端なものになってしまうと思っています。

そうだとすれば,総論に各論のエッセンスを少し加えるという今の形がいいのかな,と思っています。



……という言い訳でした。



9月も随時ガイダンス・プレゼミがありますので,もしよろしければご参加ください!


近々告知しますが,

辰巳大阪京都で9月13日・20日。

京都産業大学で9月16日に公開講義をする予定です。



いずれも無料ですので是非ご参加を!

(京都産業大学は事前申込が必要,とのことですがまだまだ受け付けてくださるそうです。


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