2014年7月3日木曜日

民法の基礎

昨日,大学での民法法職講座(学部1年生対象):全6回が終了しました。


法律の概念を初めて学ぶ方々に対し,どういう思考方法をとるか,どう伝えればわかってもらえるかを考えながら話したことはいい経験になりました。


民法の基礎,というタイトルで主に総則・物権総論・担保物権についてお話しする中で,リーガルマインド(わたしもよくわかっていないですが)をお伝えする,というコンセプトでやらせていただきました。

以下,レジュメの一部を転載します。

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■ コンセプト

本ゼミは,民法についての法職講座でした。


しかし,民法の知識を得ることが目的ではありません。
民法を題材に,法律の勉強方法を学び,(できれば)法律の面白さを感じてもらうことを目標としています。

条文を一緒に引き,基本的な法概念について説明したうえで,素朴な疑問から法解釈まで,講師と皆様,もしくは皆様同士が議論することで,今後の勉強のモチベーションが上がるようなお話をしたつもりです。



どうでしょう,達成できたでしょうか?考えてみてください。


その上で,「終わりに」ということでお伝えしたいのは以下の事項です。



1 条文文言・判例規範を大切に

  法律問題にあたる度,六法を引いてください


2 法的な物の考え方(リーガルマインド)とは

  判断に迷った時に寄って立つものになりうる


3 法律は大人の学問


  今までの経験が全て身になる


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アンケートを拝見したところ,なかなか好評でほっとしています。

今回の法職講座をするうえで,教える側としても,改めてうちみんや潮見先生(全)を引っ張り出してきて,読み直すことにより新たな発見があったりして,その意味でもこのお話をいただけてよかったな,と感じています。

内田先生の本は初学者にわかりやすく民法概念を伝える,という意味でとても参考になりましたし,潮見先生の本は最終的に話すべきポイントにつきこの本に書いている範囲,ということで絞りをかける効果がありました。

  

そして,講義のために木山泰嗣先生の「弁護士が教える分かりやすい「民法」の授業」という本を購入し,一読したのですが,こちらもどうわかりやすく伝えるか,表現方法や親しみやすい事例を考える際に使わせていただきました。






いろいろと苦労はしたのですが,何とかやり切れたということでほっとしています。

・・・またやりたいなぁ。

2 件のコメント:

  1. 先生がなさったH26司法試験経済法の解説をストリーミング等で聴くことはできないのでしょうか。

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    1. 興味を持ってくださりありがとうございます。

      申し訳ありません,当該解説は流す予定がなく,収録も(私が知る限り)されていませんでした。

      代わりと言ってはなんですが,現在個別講座で「独占禁止法のハコ(仮称)」を鋭意収録中です。そちらのガイダンス,やダイジェストを動画で流すことは検討していますので,ぜひご覧ください!

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