2012年9月8日土曜日

2011年刑法再現構成

最後は刑法。100点取れたが,伝聞でこけたと思っているので刑法60刑訴40くらいと予想。
そして刑訴法は記憶が薄れすぎて再現不能だった。


今年は会社法が再現不能状態。まるで成長していない。






第1 甲の罪責

1 乙の腹部を殴打し、顔面を蹴った行為

(1)甲の行為によって乙が怪我 → 生理的機能の侵害 → 傷害(204条)の構成要件該当[q2] 

(2)正当防衛?(361項)

   → 自招侵害、肩が触れた行為は「急迫不正」とは言えない

  よって違法性阻却×

(3)乙の腹部を殴打し、顔面を蹴った行為につき傷害罪(204条)が成立


2 丙を蹴り、頭部を締め上げた行為

(1)甲の行為により丙が怪我 → 傷害[q3] の構成要件該当

(2) 1(2)と同様、正当防衛も成立しない

(3)丙を蹴り、頭部を締め上げた行為につき傷害罪(204条)が成立


3 乙を車から振り落とした行為[q4] 

(1)乙を車から振り落とす行為によって乙が怪我…少なくとも傷害罪の構成要件該当

ア)殺人未遂(199条、203条)の構成要件該当性?殺意の有無が問題

  故意 → 犯罪事実の認識、認容

  本件 → 認識◎ 認容◎[q5] 

  よって殺意あり

イ)客観的にも殺人の実行行為[q6] といえる

ウ)殺人未遂の構成要件該当性あり

(2)



ウ)防衛の意思◎

エ)相当性× よって正当防衛×[q8] 

(3)相当性を欠くのみ、過剰防衛(362項)◎

(4)よって振り落とし行為には乙に対する殺人未遂成立、しかし過剰防衛で任意的減免


4 罪数

①~③[q9] 成立、併合罪(45条前段)、③は任意的減免


2 乙の罪責

1 甲を蹴った行為

(1)ア)乙の当該行為と丙の暴行(後述)により甲が怪我 → 傷害罪の構成要件?

     乙丙の共犯関係[q10] の有無が問題となる

イ)共同正犯(60条)の一部実行全部責任の趣旨~

 ①共犯意思②実行行為の共同があれば共同正犯◎

ウ)本件では①現場共謀②実行行為の共同あり

  よって傷害罪の構成要件該当性あり

(2)もっとも正当防衛で違法性阻却?


(3)よって当該行為による甲に対する傷害罪は成立しない(361項)


2 甲をナイフで切りつけた行為

(1)ナイフ切りつけ → 甲怪我 → 傷害罪の構成要件該当

(2)正当防衛?

   丙が加勢した時点で甲は逃走し、追撃の意図はないのですでに急迫不正の侵害なし

   よって正当防衛成立しない

(3)よって甲をナイフで切りつけた行為には甲に対する傷害罪が成立

(4)なお、ナイフだが枢要部ではないため殺意否定[q12] 、殺人未遂とはならない


3 丙の罪責


(1)  前述のように乙丙は共犯関係

乙の行為(前述)と丙の暴行により甲が怪我 → 傷害罪の構成要件

(2)  もっとも正当防衛で違法性阻却?

要件充足

(3)当該行為による甲に対する傷害罪は成立しない(361項)


2 乙が甲をナイフで切りつけた行為

(1)  当該行為に丙が責任を負うか?共犯関係の解消の有無が問題

(2)  共犯関係はすでに終了している

∵一連の行為でない

(3)仮に一連の行為であると言えたとして、離脱している[k14] 


(4)よって乙の当該行為につき、丙は何の罪も成立しない


3 以上より、丙にはいかなる罪も成立しない



 乙には甲に対するナイフでの切り付け行為による傷害罪のみ成立する

以上

<感想>

共犯の離脱以外はよくできたと思う。事実を引くのは得意だし、これは60点くらい欲しい答案






 [q1]各論が出ると思っていたので予想外。問題文を読み、構成している時間はないと判断。

開始12分で書き始め、2分前に終了。

選択以外で唯一8枚目に突入



 [q2]構成要件該当性は相対的に丁寧に書けていると思う。顎の漢字を書くのが辛かった思い出



 [q3]暴行罪にしたほうが良かったかもしれない



 [q4]発進、蛇行で行為を分けることは考えなかった。

そこまで細分化する必要はないとの判断。このことを明示すればよかったかも。



 [q5]アスファルト舗装以外の事情はすべて評価し、認識と認容を分けて記述。1ページ弱は使ったか。跳ねていてほしい



 [q6]実行行為から先に書くべきだったか。

ここも事実は入念にひいた。



 [q7]ここで書いたか、最初の自招侵害のところで書いたか。おそらくここで書いたはず



 [q8]ここも丁寧に書いた。



 [q9]①~③は番号を振ったうえで「△に対する○○罪」と書いた。



 [q10]暴行の場所と怪我の場所が明示されていたので、単独犯構成にもできたと後から思うが、この事例で乙丙が単独犯というのもおかしいと思うので共犯を書いて正解だと思う



 [q11]5行程度であっさり



 [q12]ここは7~8行使い、丁寧に書いた。今考えると構成要件該当性のところで書けばよかった



 [k13]予想通り時間がなかったので、この部分は合計半ページ弱で簡潔に



 [k14]ここは新たな共謀がない、とすべきだった。致命的ではないと信じたい



 [k15]事実を使いたかったので無理やり論点を出した。

その分きっちりあてはめた。



 [k16]時間が5分弱余ったので乙の罪数を補足として記述

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