2012年9月8日土曜日

2011年民事系再現構成

今見ても会社と民訴はひどい出来。94.5点の内訳は45・30・20と予想。






設問1(1)

1 CBへ不当利得返還請求(703)OK?以下検討

2(1)要件①法律上の原因なく②利益③損失④故意・過失

(2)Bの反論 →①法律上の原因あり

 転用物訴権の話

 反対利益を得ている場合は支払う必要なし

  本件→請負工事前提で低廉な価格での賃貸借契約

 よって①法律上の利益がないとはいえない

3 以上より、CBの2500万円の不当利得返還請求は認められない[q3] 

 


1 CFへ敷金返還請求権1300万円の放棄を詐害行為取消(424)として主張

2(1)要件①債務者無資力②債務者悪意

    →①②充足

(2)Fの反論

  424但書、F善意

  →再反論 放棄の際に確認している

3 Fの反論は認められず、CFへ敷金返還請求権1300万円の放棄を詐害行為取消(424)として主張することは認められる。

 

設問2

1 履行不能による債務不履行解除(543条)を主張すべき

  FGに対する債権回収を妨害しないという信義則上の債務を負っている

2(1)意思表示(540条1項)あり◎

(2)「不能」◎債権消滅

(3)帰責性→AF合意解除

  FGの有する賃料債権をなくすものという認識はあったはず◎

3 よって解除可能

 

設問3(1)

1 HDAFに対して請求可能

2(1)HD不法行為責任(709条)

要件①故意過失②権利侵害③損害④因果関係すべて充足

特に反論なし

よってHDに責任追及可能

(2)HA不法行為責任(709[q5] 

③損害あり

Aの反論、①故意過失なし。反論認められる

よってHAに責任追及不可

(3)HF債務不履行責任(415[q6] 

契約締結上の過失概念

F反論、そもそも契約締結に至っておらず、債権債務関係にない

 →反論認められる、これを認めてしまうと賠償範囲広がりすぎる

よってHFに責任追及不可

 

設問3(2)

1 賠償額の減額についての理論構成として過失相殺(722条2項)が考えられる

  しかし、Hに過失があるわけではなく、過失相殺規定の直接適用はできない

2 722条2項の趣旨は過失を斟酌し賠償額を減額することにより、当事者間におけるより実質的な公平を図ること

  とすれば、単なる特徴を超えた「過失」と類する程度の責任があるとみられる場合は722条2項の類推による減額が可能

3 本件 → 確かに老齢であることは「過失」と同視できない。しかし疲労(妻の介護など)がたまっていた事情は特段の事情として斟酌可能


以上

 

<反省>

1(2)で「放棄」文言に気付いた時に取り乱してしまった

焦らなければ正着にたどり着けたはず

ミスの後、時間が無くなって3(2)の事実認定がずさんになった

717に気付けなかったのは能力不足


 [q1]分量と誘導が多い!とまずは思った。あとは、辰巳大的中!とか思ったりした。(辰巳は完全にミスリードだったが。)
 [a2]構成30分、5.5枚
 [q3]実際の答案は良くも悪くももっと複雑。
ごちゃっとした部分もあるが事実に食らいついていたと思う。
 [q4]最初は債権者代位で構成。答案作成中に「放棄」の文言に気付き、詐害行為取消に修正。
今考えれば、反論で「放棄」再反論で詐害行為取消を債権者代位で行使という流れが正着か。
 [q5]ここは717.ミス。
 [q6]ここは716?ミス
1(2)での修正が時間を食ったせいで [q7]非常に時間が足りず、3(2)は事実認定が雑になった






会社法


1 本件自己株式取得の効力

(1)本件自己株式取得 → 155条3号、156条1項の決議必要

(2)ア)本件決議は取消事由があるのではないか?831条1項検討

  イ)本件決議は売却人たるBを含む → 特別利害関係人(3号)?

   特別利害関係人とは~

  ウ)本件では特別利害関係◎

    著しく不当な決議も◎

  エ)よって決議取消事由あり[q2] 

(3)では、株式取得が無効となるか。

 決議取消事由がなければ原則として無効のはず

 もっとも、無効とすれば利害関係人の保護が図れない[k3] 

  → 金銭的解決が可能であれば無効とすべきでない

 本件[k4]  → 取得→処分→市場に流れている

      金銭的解決も可能

 よって、本件自己株式取得は有効

 

2 甲とBとの間の法律関係

(1)  Dが「値段によっては買ってもらいたい」と請求[k5] 

Dの請求は、甲とBの関係にかかわるので問題

(2)1601項、認められるか?

   162条本文当てはまる

   しかし、但書12号×

(3)よって、甲とBに相続人の特例(162条)の適用なし

(4)1602項、1603項、規則29条×

   → Dの請求を検討する必要あり[k6] 

 

2 ②について

1 自己株式の処分…「募集株式の発行等」の規律

  本件は第三者割当て(205条)公開会社ではあるが決議必要(201条、1993項)

 

2 決議取消事由の有無

(1)特別利害関係人による著しく不当な決議◎

(2)1993項説明・・・要件充足せず

(3)314条の説明責任果たしていない、但書の正当な理由もない◎

 

3 [q7] 無効事由となるか?無効は訴えによってのみ主張可能(82813号)

 取引安全から無効事由は制限すべき

 本件 → 市場に流通してしまっているので主張不可

 

4 よって処分も有効

 

3 ③について

1 甲 → C への責任追及は4231項に基づくもの[q8] 

 4231項の要件①取締役等②任務懈怠(故意過失含む)③損害

 ①は満たす、では②は?

 

2 本件では善管注意義務違反 → 経営判断原則

 ①情報取得②情報に基づく判断に[q9] それぞれ合理性があるか検討

 

3 [q10] ①粉飾が巧妙 → 通常の経営者も粉飾に気づくことは困難(①の点に任務懈怠なし)

  ②粉飾込みの貸借対照表(資料2)を基に判断

   → 経営を立て直すため自己株式取得・処分を通じて乙との結びつきを強化する、という戦略は通常の経営者の判断として合理的。資料2の貸借対照表に基づけばその範囲も合理的範囲内

 

4 よって②任務懈怠なし、甲→Cへ責任追及できない


 

 

<反省>

財源規制落としに尽きる。

手続的取消→実体的無効に加え、経営判断原則もガッツリ書いて、試験後は跳ねたと確信。

しかし、中日にミスに気付く。択一の勉強も善し悪しかと。


 [q1]この形式は配点を書かないという罠。
大体同じくらいの厚さで書いたことが吉と出るか凶と出るか。
 [q2]出訴期間には気づいていたが、聞き方が「株主○○の訴訟」ではなかったのであえて省略。思考過程を1行でも書いておけばよかった。
 [k3]株式発行無効訴訟と同様の規範を立てる
 [k4]個々のあてはめはもう少し丁寧に書いた
 [k5]財源規制を思いつかなかったため、Dの請求から162条該当性を検討する方向に。
 [k6]今考えれば論旨不明。点はついてないかな。あきらめている
 [q7]無効、取消の関係はもう少し整合的に書いた。(出訴期間は検討したが書いていない)説明責任<2(3)>を書いたことは覚えているが、どっちで書いたかな…
 [q8]ここでも完全に財源規制を落としてしまっている
 [q9]法令違反がある場合に経営判断で攻めるという積極ミス。
 [q10]この部分のあてはめで勝負が決まると思ったため、丁寧に事実を引いた。評価されていることを祈る
 [q11]5.5ページ







<答案構成>

設問1


(1)AC

 第一回口頭弁論でCが②③④⑥認める

 第二回口頭弁論でC(弁護人Q)が⑦~⑩主張

⑨⑩と③矛盾する、自白による不要証効(179条)は生じるか。③は所有権の所在という法律概念なので、いわゆる権利自白の可否が問題

(2)自己に理解できる範囲であれば法律関係についての自白もOK

  日常的法律概念についての自白か否かが基準

(3)所有権→一般人も理解可能

   Cが理解可能であるので、日常的法律概念についての自白といえる

 ③を認めることにつき、権利自白としての効力が生じる[q2] 

 

2 撤回の可否

(1)では⑨⑩の主張は可能か。権利自白の撤回の可否が、自白の撤回の根拠と関連[q3] して問題となる。

(2)自白…簡単に撤回を許しては法律関係が不安定になる、原則×

  しかし、撤回を許すことが私的自治の原則にかなう場合もある。①同意あり②刑事上罰すべき相手方の行為による自白③反真実かつ錯誤による自白の場合は例外的に撤回◎

 そして、[q4] 権利自白の撤回の場合は裁判所の専権事項である法律関係についての自白であるので、私的自治の要請は後退する

 すなわち、反真実である蓋然性が存在する場合は、特段の事情がない場合撤回◎

(3)本件では、Cが③を自白した段階では弁護人Qが付いていない。よって、自己に不利益な法律関係についての自白をしてしまうことも十分に考えうるため、反真実である蓋然性が存在する。

 しかし、甲土地の売り主であるECに父Dの知人 → 確認しようとすればいつでも確認できたはず。土地という高額な物に対する権利関係につき、Aの説明を鵜呑みにして確認を怠っていたCには、権利自白の撤回を許すことのできない特段の事情が存在するといえる。

(4)よってCは撤回することができない[q5] 

[q6] 

設問2

1 Fの参加方法としては①独立当事者参加(権利主張参加47条1項後段)と②共同訴訟参加(52条1項)が考えられる

 以下検討


(1)Fは権利主張参加できるか。Fが「訴訟の目的の全部若しくは一部が自己の権利であることを主張する第三者」に当たるか問題

(2)訴訟の目的は訴訟物と同義

 本件 → 甲土地の所有権移転登記請求権

(3)全部若しくは一部が自己の権利?


 よって、全部若しくは一部が自己の権利とは、求償賠償関係に立つ者をいう

[q8]  本件 → Aの債権者であるFDの敗訴により債権の保全手段を失う[q9] こととなり、賠償権を有する

(4)以上より、Fは権利主張参加可能

 

3 共同訴訟参加

(1)Fは権利主張参加できるか。Fが「訴訟の目的が当事者の一方及び第三者について合一にのみ確定すべき場合」に当たるか問題

(2)訴訟の目的が訴訟物であることは同様

(3)合一にのみ確定すべき場合は、やはり求償賠償関係にあることが必要

 本件◎

(4)以上より、共同訴訟参加可能

 

4 なお、優劣

 権利主張参加は同一訴訟内でBを叩いて自己により有利に持っていくことが可能

 よって、Fは権利主張参加をすべき[q10] 


設問3

[q12]  LMは両訴の原告・被告であるKの相続人

訴訟代理人がいないため、両訴はKの死亡により中断(124条2項)相続放棄期間満了し、相手方Nが申し立てたのでLMが当該訴訟を引受承継(50条1項・124条1項1号・3項)

2 本件では相続人の一部であるMが認諾・放棄(266条1項)を行っている

 「確定判決と同一の効力」(267条1項)が両訴全体に及ぶか。Mの陳述の効力が問題

3 引受承継(50条1項)は、50条3項において41条を準用

 41条は同時審判申出訴訟、趣旨は両負け防止、性質は通常共同訴訟にすぎない

 訴訟を継続する限り併合審理が求められるが、分離し、終了することは許される

4 よってMの陳述はMN間にのみ効力を生ずる

  LN間は訴訟継続

5 なお、L勝訴の場合、LN共有という形になり、不都合かと思われるが、問題ない[q13] 

  なぜなら、そもそもLMは疎遠であり共同相続したとしても自己の持分をMが売却することは十分に考えられる

  N勝訴の場合は何ら問題なし

以上

<反省>

わからなさすぎた

特に問2はきっちり書かなければならない問題

ここで凹んだのは痛いかも


 [q1]出題趣旨がよくわからなかったので、基本から書いて1点でも多く点を稼ごうという意識
 [q2]この段階で0.7ページくらい
 [q3]誘導に乗っただけ。理解はできていない
 [q4]でっち上げ。「理論的基礎付けは難しい」との誘導に乗る形
 [q5]誘導から、「基準は緩く、しかし緩い基準に引っかかる」という結論は最初から決めていた。そこに至る理論はでっち上げ
 [q6]設問1で2ページ程度
 [q7]知識を問う問題と思ったが、勉強不足故知識が出てこない。
でっち上げで間違えた。新司法試験最大の反省点
 [q8]ひどい間違い方をした。
本来は非両立性を論じるべき部分。
中日に気付き、愕然とした記憶がある。
 [q9]ここも、詐害行為取消権の相対効を考えれば間違い。
 [q10]設問2は、新司法試験全科目中一番悪い出来だと考えている
 [q11]設問2終了時点で3.5頁程度
 [q12]やはりよくわからないので前提から
 [q13]もっと丁寧に理由づけした印象
記憶が薄れている

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