55点~60点ほしいが、ところどころ急ぎ足過ぎてはしょってしまっているので厳しいかと思います。55くらいと予想。(去年の3.5倍くらいですね)
第1(1)について
1 当初の請求原因②の事実を立証する場合
(1)訴訟1はXのBに対する保証債務履行請求(民法446条)であり,当初の請求原因②は,XB間における保証契約の締結である。以下,連帯保証契約書と契約書中のBの印章による印影の顕出がいかなる意味を有するか検討する。
(2)連帯保証契約書
連帯保証契約書は契約書内に書かれた文言の意味内容により効力を判断する書面なので「文書」であり,「成立が真正であることを証明しなければならない」(民事訴訟法(以下略)228条1項[k2] )。連帯保証契約書はその成立の申請が証明されれば,連帯保証契約締結の事実が証明される,いわゆる処分証書[k3] である。
よって,本件において連帯保証契約書は,その成立の真正が証明された場合に②XBが連帯保証契約を締結したことの立証がなされるという意味を有する。
(3)印影
本件においては,契約書中でBの印章による印影の顕出がなされている。これは,書面の印影と本人の印章が一致するときに当たり,本人の意思に基づく押印であることが事実上推定されるといえ,印影は意味を持つ。
2 第2の請求原因③の事実を立証する場合
(1)第2の請求原因③CX間でCがBのためにすることを示してなされた保証契約の締結に先立ちBがCに代理権を授与したこと(以下「先立つ代理権の授与」とする)である。以下,連帯保証契約書と契約書中のBの印章による印影の顕出がいかなる法的意味を有するか検討する。
(2)連帯保証契約書
(3)印影
本件では,[k6] XがCの押印を立証する立場にある。従って本人の意思に基づく押印の事実上の推定はない。もっとも,CがBの印章により印影を顕出したことは,Bの先立つ代理権の授与の間接事実としての意味を有する。日本において印鑑の有する意味は大きく,本人が印鑑を貸すということは高度の信頼関係があるといえるからである。
よって,契約書中のBの印章による印影の顕出は,③の立証のために重要な間接事実としての意味を有する。
3 違い
1 Pの見解は,弁論主義の第1テーゼに反する可能性が高いという点が問題である。
2 理由
間接事実・補助事実は証拠と同様の機能を有し、それらにまで弁論主義が及ぶとすれば自由心証主義(247条)を侵害することとなるので、弁論主義の妥当する範囲は主要事実に限られる。
(2)本件でPの見解は参考判例と同旨である。しかし、本来代理の認定をするためには代理行為、先立つ代理兼授与、顕名(民法99条1項)を立証する必要がある。このことを無視し、Xが第2の請求原因を追加しない場合にCをBの代理人と認定し、判決の基礎とすることは主要事実であるCの代理を当事者の主張なしに認定することとなる。代理の有無は法的効果の発生に影響しない[q10] としても、主要事実に主張責任が生じないということにはならない。
設問2
1 Cは①②の事実を否認することができるか。訴訟1の段階でBがCに対して訴訟告知(53条1項)を行っているため、訴訟の「効力」(46条1項、53条4項)が生じるか、問題となる。
2(1)否認の可否を決する前提として「効力」の意味が問題となる。
46条の効力(参加的効力)の趣旨は、損害の公平な分担の見地から同一訴訟に関与した者に対し敗訴責任の分担を生じさせる点にある。後訴での紛争となる原因は主文よりもむしろ理由中の判断に生じることから、参加的効力は理由中の判断にも及ぶ。*1[q12]
本件では訴訟1の訴訟物はXのBに対する保証債務履行請求権であり、CがBの無権代理人、表見代理人として請求原因において主張されていることから、Cは訴訟1「の結果について利害関係を有する」(42条)といえる。
よって、Cは訴訟1に補助参加することが可能であり、Bから訴訟告知を受けた以上46条、53条4項によって①②の事実を否認できないのではないかとも思える。
(2)しかし、CはXからも訴訟告知を受けている。仮に訴訟1においてXが敗訴すれば[q13] 、敗訴責任の共同分担としてXはCに無権代理人の責任(民法117条1項)を追及されるおそれがあり、「訴訟の結果について利害関係を有する」(42条)といえる。よって、当該訴訟告知も53条4項、46条1項の参加的効力を有するといえそうである。
もっとも、訴訟告知は自ら訴訟に参加しない受動的な訴訟参加方法である。その上、本件のような場合を典型例[q14] として対立当事者双方から訴訟告知を受ける事態は想定しうるし、どちらか一方に参加したとしても敗訴当事者から責任を追及される立場に陥ってしまう。
したがって、両当事者から有効な訴訟告知を受けた場合、紛争解決の一回性という訴訟告知の趣旨よりも被告知者の保護を図ることが妥当であるといえる。よって、このような場合は例外的に[q15] 53条4項、46条1項の効力が及ばず、後訴において争いうる。
3 本件でCは前述の通り、BからもXからも有効な訴訟告知を受けている。よって、このような場合は53条4項、46条1項の「効力」は及ばない。
4 よって、Cに参加的効力は及ばず後訴で前訴認定事実を争うことができる。
設問3
(1)本件では、XはBに対しては有権代理を前提として、Cに対しては無権代理を前提として訴えを提起しようとしている。ここで、XはBC両方に敗訴することを避けるため、同時審判申出訴訟(41条1項)を提起している。Cの代理権の有無は「法律上併存し得ない関係」(41条1項)であるため、同時審判申し出訴訟が許される。
(2)もっとも、同時審判申出訴訟は「全員について合一にのみ確定すべき場合」(40条1項)ではなくあくまで通常共同訴訟(38条前段)である。したがって、第一審判決に対し一方のみ控訴した場合は、控訴しなかったもう一方は確定する[q19] 。
2 控訴審段階
(1)本件ではXのBに対する請求を棄却し、Cに対する請求を認容している。①②の場合、どの点に「控訴裁判所の判断」(283条)が及ぶか、以下検討する。
(2)①は第1審判決に対しCのみが控訴し、Xは控訴していない。同時審判申出訴訟は通常共同訴訟であるため、CX間の訴訟は控訴審に移審するが、BX双方が控訴しなかったBX間の訴訟は一審で確定する。
BX間の訴訟が確定した結果、BX間の訴訟には確定判決の後訴における拘束力である既判力(114条1項)が生じる。もっとも、既判力は判決主文にのみ生じるため理由中の判断であるCの代理権の有無につき既判力は生じない。
よって、控訴審においてCに対する代理権授与が認められる可能性がある。
以上より、①でXは、第1審でBに敗訴し、控訴審でCに敗訴する可能性があるという両負けの危険性が生じるといえる。
(3)②は第1審判決に対しC、Xが控訴している。この場合、XB間の訴訟もXC間の訴訟も移審しているといえる。そして、本件では同時審判申出訴訟において「控訴事件が同一の控訴裁判所に各別に係属するとき」(41条3項)に当たるため、控訴審において両訴訟は併合される。
よって、Cへの代理権授与につき矛盾した判断がなされることはない。②ではこの点において両負けの危険は存在しない。(なお、[q20] 代理権授与がない場合にXの有過失(民法117条2項)をCが証明したときはXが両者に敗訴することがありうる。)
*1部分についての補足(本試験では○ページ○行目へ補足と記載)
「利害関係」とは,法律上の利害関係を言い,「訴訟の結果」とは訴訟物及び理由中の判断中の重要なものについて利害関係を有することをいう。なぜなら,補助参加は被参加者の勝訴を目的として一方当事者に参加する制度であり,この点にかんがみ上記要件が要求されるからである。[k22]
[k2]私文書であることを明示した気もする。
[k3]直接証拠というのが怖くて明示しなかった。
[k4]理由づけをしたような気もする。
[k5]このように書いた。何かないかと探したが,わからなかった。
[k6]書いた内容としてはこのようなものだが,もう少し整理し,三段論法を意識した。
[q10]判例を意識した論述をしたつもりであるが、主張責任が生じるといいっぱなしになってしまったため、題意にこたえられているとは言えない
[q12]ここに挿入。あせりすぎて規範を適当にしてしまった。挿入でも書かないよりましと思い、挿入した。
[q13]表見代理が成立しないという理由で
[q14]もう少しきちんと書いた
[q15]もう一つ論理をかましたはずだが思いだせない
[q17]事実ごとに分けて検討しなかったのはミス。
[q18]全体的にもう少し丁寧に書いたかもしれない
[q19]条文を引いた気もする
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