二回試験中ですが以前に書いていた記事をこっそりUPします。
表題の本の書評です。
<総論>
鳥飼総合法律事務所の木山泰嗣先生が書かれた法律家向けの本です。
木山先生といえば文章表現のスペシャリストとして多数の著書を出版されています。
私個人としては出版に興味も持っているので、先生が執筆時間をどのようにねん出しているのか、豊富なアイデアはどこから生まれるのか、機会があればじっくりお話を伺いたいなぁ、と思っています。
・・・私はこの本しか読んだことがないのですが、書かれていることはまさにこの通りだな、と感じました。
自分が受験指導で「表現のハコ」として紹介するテクニックが詳細に、体系的に書かれています。
この「詳細に、体系的に」というのが意外と難しいのです。
紹介されているテクニックの一つ一つを経験知的に知っていたとしても、それを分かりやすく説明するための体系化に成功しているのが、この本、ひいては木山先生の著書の素晴らしい点だと思います。
弁護士は書面作成のプロでなければなりません。
私もこの本で書かれている文章作成技術を一つでも多く取り入れようと思います。
さらに、受験指導の際の取っ掛かりとして使わせていただこうかな、と思っています。
<内容について>
この本では「わかりやすい文章」「裁判官を説得する文章」として、
1.読みやすい文章
2.わかりやすい文章
3.論理的な文章
4.心を動かす文章
の4つが求められていると分析しています。
これら4パートの構成要素をさらに詳細に記載し、あらゆる角度から裁判官を説得する法律文章がどのようなものかにつき説明する内容となっています。
一つでもエッセンスを取り入れられればこの本を買う価値はあるのかな、と思います。
<表現のハコ>
私が考える、「表現のハコ」には2種類あります。
1つは法律文章を書くにあたっての定型的な視点。
普段から言っている三段論法、原則例外が代表的なものです。
これは受験指導の中でより詳細にお伝えしていくべきものだと思います。
もう1つは日本語文章のハコです。
このハコは木山先生がおっしゃる、「わかりやすい法律文章」につながるところがあります。
司法試験において、文章を読ませる相手方は採点者です。
いかに採点者にとって、読みやすく、わかりやすく、論理的な文章を提示できるか。
知識・分析とともに表現も採点事項の一つである(と思っている)ので、日本語表現を整えるためにも、、この本を的確に使うのはお勧めです。
一読の価値はあると思います。
<心を動かす文章>
最後の「心を動かす文章」という項は直接司法試験に関連するわけではありません。
しかし、実務に出るにあたって、決して忘れてはならない視点だと思います。
機能的でありながら、読み手の心を動かす文章が書けるように日々精進することが必要だと感じました。
「心を動かす文章」という項があることにより、私は心を動かされました。
<総括>
総じて、受験生・修習生を問わずおすすめの本です。
私も折に触れ、見返しています。
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