2013年9月28日土曜日

実務修習まとめのまとめ

世の中にはツイートを複数まとめるトッギャッターというツールがあります。
僕のTwitter上でのつぶやきを善意でまとめてくださった方がいるので、それを簡単に見られるようにまとめて見ました。


・実務修習感想

【弁護修習】

【民裁修習】

【検察修習】

【刑裁修習】


あくまで僕の主観に基づきまとめたものなので、バイアスが多分にかかっているものとご判断ください。

結局、実務修習を左右するのは配属先の運と自分の積極性次第だと思います。


雰囲気だけでも伝われば幸いです。
実務修習を楽しんでくださいね!

2013年9月27日金曜日

出題趣旨の使い方

平成25年司法試験の出題趣旨が発表されましたね。

http://www.moj.go.jp/content/000114749.pdf


重ね重ね言いますが、出題趣旨を完璧に捉えるのは不可能です。

学習に当たって、完璧な神様答案を目指すのはむしろ有害です。


出題趣旨、採点雑感については、どれくらいかければ
「一応の水準」
で処理できるか、意識して読む必要があります。

とはいえ、優秀なツールである事は間違いないので、賢く利用して合格のためのツールにしてください!

2013年9月26日木曜日

ステップアップ司法修習生

以前、後輩から
司法試験の勉強は実務に直結しないのではないか,
という趣旨の質問を受けました。


「勉強したくないだけやろー。」
と流しても良かったのですが、
この機会に少し考えて見る事にしました。



未だ半人前の私ですが,この問いに対する自分なりの答えを述べたいと思います。




司法試験は,問題文が所与の前提として与えられており,
問題文の事実を法律のフィルターに通して答案の形にして解決することが求められています。


司法修習で行う起案はそこから一歩進んで,
所与の記録が与えられ,記録の中から事実を取捨選択し,証拠として事実認定を行う
というステップが加わります。


そして,実務ではさらに一歩進んで,
依頼者から相談を受けて資料をもらい,事実認定のもとになる証拠を作る(裁判所が事実認定しやすい形に構成しなおす)
というステップが必要です
(と理解しています)。


各ステップで必要な能力は違います。

しかし,前のステップで培われた能力は後のステップの基礎となることは間違いないと思います。

なので,冒頭の問いには
「司法試験の勉強は実務に直結しないけれども,実務を行う基礎となる能力となるのでまじめに取り組みましょう」
と答えるようにしています。



そして,司法修習についても,
司法試験と実務をつなぐステップとして大変重要なものであると考えるので,
まじめに取り組みましょう,となります。



いいオチがついたところで,
実務に足る人材となれるよう,日々勉強します!

2013年9月24日火曜日

和光レポート(その2)

次は勉強以外についてのレポートです!

B班の方はこれから二回試験に向けあまり時間がないかとおもいますが参考までに。



・遊び
特にA班は時間の余裕があるので、スポーツに旅行に色々出来ます。

関西修習の我々はこの機会にいろんなところへ行きました。
私は横浜、鎌倉、日光、高尾山・・・都心であれば平日の講義終了後にも行けるので、土日はおそらく今後、旅行では来ないだろうと思われる関東の観光地を回りました。

その他、千葉のシンポジウムに参加したり、委員会に参加させていただいたり。
やりたいことはいくらでもできる、と言った印象です。


ちなみに、教官はお誘いすれば気軽に飲み会に付き合ってくれます。
女子会も2回開催されたようです。

その他イベントも教官を巻き込むと面白いと思います。
私たちの班は教官方に、落語に連れて行ってもらいました。

そして、同じメンバーでの飲み会ばかりも味気ないので、最終日はBBQで締めました。



大体の企画は僕がしたのですが、音頭を取る人間がいればなかなかスムーズに組内活動が進む印象です。

もちろん参加してくださった皆様の力があってこそ、楽しい和光生活が成り立つと思います。


和光を存分に満喫したいのであればA班関西は本当にオススメです!



・寮生活
A班関西であればほぼ確実に寮に入れます。
B班であれば大体当選率7割くらいで寮に入れるとおもいます。

なぜか1日500円の料金がかかる(電気ガス水道の実費と部屋代と考えれば安いのですが)ので、国からお金を借りてその中から国にお金を払うと言うよく分からないことをしていました。


もとい。


寮はワンルームで、暮らすには不自由しない感じですが、廊下がリノリウムで、何と無く病棟を想像させます。
あと、ユニットバスがすぐ詰まるのと、水場がユニットバスにしかないのには閉口しました。

もっとも、飲み会帰りにふらっと他の修習生の部屋にいって熱い話、しょーもない話をするのは楽しかったです。

共同生活が法曹の一体感を育む、と言うのもあながちバカにできないな、と感じました。



総じて、集合修習は楽しかったし、勉強と言う面でも成長できたとおもいます。


B班の方々や、67期以降の方の参考になるポストになれば幸いです。

2013年9月23日月曜日

和光レポート(その1)

9/20に66期A班集合修習のカリキュラムがすべて終了しました。

8/2から1ヶ月半過ごした寮を出るのは少し感慨深いものがありました。


集合修習でどんなことをしたのかを、B班の修習生及び来年以降の修習生のために、サワリだけ述べようと思います。





・概要

9:50〜16:35。
50分-10分休み-50分を一コマとして、午前1コマ、午後2コマ。

お昼休みは60分、2-3コマの間は15分休み時間があるので、結構のんびり出来ます。



・起案

民事裁判

民事弁護

刑事裁判

刑事弁護

検察

それぞれ丸一日、2回づつ。

10日使い、解説も半日使うので、これがメインです。
裁判官志望の方はなかなか心を削られてました。
各科目のお作法となるべきシラビョウシがあるので、それだけは少なくともきっちり見ておくべきだと思います。



・講義

解説以外にも、例えば情状弁護、証拠収集、契約書チェックなどの講義があります。

これも演習的要素があります。

前半で予習に基づく議論をして、簡単なペーパーを提出。


後半で教官のソクラテスメソッドを用いた講義。
点取りゲームの起案より勉強になった印象があります。



・演習

民事共同
刑事共同

模擬裁判です。
なにせ人数が多いので、自分の役割が終わればちょっと興味が薄れます。
そうならないように、同じ事案を用いた和解の練習をするなど、教官の工夫が見られました。



・紙資料の管理

記録の管理がすごく大変です。
毎日新しい資料が机上に置かれています。
記録の返却日が一つ一つ違います。
なくしたら始末書です。

将来の記録管理につき、いいトレーニングができました。
(始末書を一枚出しました・・・

私を反面教師とするよう,よく整理しておいてください。




なお,いずみ寮の自室をアマゾンをはじめとする通販の配送先にしておくといろいろはかどります。

飲料水を通販購入している方が多かったです。


以上、和光レポート(勉強)でした。

次回は勉強以外をレポートします。



2013年9月20日金曜日

成績通知について(その2)

宣言通り,成績通知についてです。 

今回は合格者が成績通知をどう扱うか。

 そろそろ成績通知が返ってくる時期,悲喜こもごもあるでしょう。


私も去年1800番を超える低順位だったということで若干へこみました。 
 しかし,今となっては自信を持って「気にするな」といえます。 

 確かに,成績が良い・悪いで就活に有利不利が出ます。 
私自身よくわかりませんが,裁判官選考についても考慮があるかもしれません。 

 しかし,いずれについても司法試験の成績は一要素にすぎません。 


就職活動については,最初のハードルが高くなるだけです。 
採用側の手続コストの関係から,確かに書類選考を突破する確率は低くなります。 
しかし,公募の事務所では,一度書類選考を突破すれば後はフラットな目線で採用活動を受けることができます。 
成績が悪ければ,ほかの部分で採用担当の目を引けばいい。 

その点,私は採用担当の目にどう映るかを早期から考えて履歴書を書いていたので,順位の割に,割と書類切りに合わなかったと記憶しています。


 裁判官選考についても同様。 
実務修習中に行われる起案(記録を渡され,問題点につき一日かけて回答を作成するもの)で好成績を残せば裁判官への道が閉ざされているわけではありません。

多分。 



 なので,いい成績をとるに越したことはないですが,順位が振るわなくても気に病んでしまう必要はないと思います。
 気に病んで順位が上がるのであれば,いくらでも悩むべきですが。

 一部の天才を除き,修習生の知識,知能レベルはそこまで変わらないと実感しています。


 私もA評価をいただいたことがあります。 

 そんなもんです。

 これからがんばりましょう。

成績通知について(その1)

例年、9月中旬に成績通知が発送されます。 
その通知を見てすべきことを、2回に分けてつぶやきます。 


 まずは前半、論文不合格者に向けた成績通知の使い方。 


 惜しくも論文で涙を飲んだ方につき、成績通知の使い方は大きく分けて2つ。 


 1.成績分析
 2.モチベーションアップの道具

です。 



 まず1.について。
 今更かもしれませんが、ざっくりで構わないので、論文の各科目成績を予想してください。 
そして、返ってきた成績と比較してください。 

一致しているならよし。
分析の視点は(おそらく)適切です。 
自分の能力を上げ、合格点をとる努力をしてください。 

不一致の場合は問題です。 
至急合格者に答案を見てもらい、コメントにより自分の弱点を知ってください。

 これは、思っていたより大幅に成績が良かった時も同様です。 



 次に2.について。 

臥薪嘗胆の言葉もあるように、不合格の事実・ショックはすぐに過ぎ去ります。人は忘れる生き物です。

 不合格を背負い、リベンジするためにも、常に思い出す環境を作る事は有効でしょう。


 合格者の成績通知書の左側には、合格証明書がついています。 

不合格者の通知書の左側は空欄です。


 左側の空欄を埋めるために、日々取り組みましょう。 
 その他、工夫により成績通知の使い方はあるはずです。 



うまくつかって来年の合格につなげてください。

2013年9月18日水曜日

三段論法の徹底

法的三段論法についての質問に回答した際,少しまとめてみたので記事としてUPしてみます。


三段論法を徹底するためには,まず,法的三段論法を理解してください。

 

そもそも三段論法とは大前提(主に普遍的な法則)と小前提(個別の単なる事実)から結論を導き出す推論方法です。

 簡潔に説明すると以下のような論法です。

 

A(小前提)はB(大前提)である。

B(大前提)はC(結論)である。

よってA(小前提)はC(結論)である。

 


「A」と「C」という元々直接的には関係しない事柄を,両方と関連性のある「B」という事柄を用いて論理的に結びつける手法です。

 

 

 

そして,法的三段論法とは,規範・あてはめ・結論です。

 

規範

あてはめ

結論

 

です。

このままでは使える形にならないので,

 

(趣旨からの理由を付けた)規範

(評価付きの)あてはめ

(問いに対応した)結論

 

となります。

 

 

単純にいえば,どんな問題でも条文から規範を作出し,規範と完全に一致した文言に当てはめ,結論を出すことを徹底することで三段論法が完成します。

 

もっとも,問題でカタを崩されてしまえば,三段論法を徹底できません。

その点については普段の学修で上記三段論法の理屈を理解し,徹底的に意識すること,難しい問題であればあるほど意識することで対応できます。



まとめると,三段論法の徹底には三段論法の理解と意識が必要,ということです。

三段論法をマスターし,合格へ進んで下さい。

2013年9月16日月曜日

行動力・実行力。

2013年9月15日、井垣孝之さんの法律フレームワーク講座@法政大学に参加してきました。
 天気が悪い中、250人を超える参加者がいらっしゃったということで、将来的に講師としての活動を考える身としては、多少の嫉妬も交えながら、素直にすごいなぁと感じています。 

そもそも、指導なんて対象を広げれば広げるほど難しくなるものです。
大教室の教授の講義を思い浮かべればお分かりだと思います。 

内容も汎用性ある伝聞攻略法であり、私も時々ハッとさせられるような鋭いものでした。 
かつ、わかりやすさという点にもとても配慮されていると感じ、素晴らしいなと感じました。 

あの人数で、あのクオリティの講義をされるということがとても難しい事はわかるので、本当に素晴らしいな、と思っています。 


 そして、今回の講義を成功させたのは、運営側のUさんたちの力によるところも大きいでしょう。 
法政大学の大教室を借り切る他、裏方として働いていた方の力がなければ成功はなかったと思います。 



 そして、懇親会では私も修習生として(偉そうに)(ドヤ顔で)何名かの方にお話させていただきました。 
結局、フレームワーク的な思考があればそれに載せて行くだけということは、ハコ思考と変わりないということを説明させていただき、おそらく理解できたかと思います。

 細部に違いがあれど、 根本は一緒ですからね。 




井垣さんが前例があるのか怪しいレベルの大講演を成功させることができたのも、教育にかける情熱があり、その場を自分で切り開かれたからこそ。 
私も見習わなければな、と思い、改めて行動力・実行力の必要性について考えるいいきっかけになりました。 

 やってやれないことはない。




 最後になりましたが、井垣さん、関係者の皆さま、本当にお疲れ様でした。

2013年9月10日火曜日

2013年司法試験合格発表

本日,司法試験の合格発表がありましたね。
法務省のサーバダウンももはや様式美です。
合格者数は2049名。合格率(実受験者ベース)は26.7%。


法科大学院別上位合格率(対実受験者比)は以下の通り(手打ちなので間違えていたら申し訳ないです)。


1.慶応義塾大学法科大学院
 354人受験201人合格 56.8%

2.東京大学法科大学院
 357人受験197人合格 55.2%

3.一橋大学法科大学院
 123人受験67人合格  54.5%

4.京都大学法科大学院
 246人受験129人合格 52.4%

5.愛知大学法科大学院
 28人受験12人合格   42.9%

(参考)
 予備試験合格者
 167人受験120人合格 71.9%
 


合格された受験生の皆様,時が流れるのは早いので,うれしさに浸りながらも,今すべきことを行い,次のステップへ進んでください。

惜しくも不合格に終わってしまった方,今は思い切り落ち込んでください。

「今回の問題で,今回の回答では足りなかった」

のは事実です。
人格もなにも否定されたわけではありませんが,足りなかったことは事実です。


来年受験される方は確実に合格しましょう。

思い切り落ち込んで,そのあと敗因分析してください。作業はすごくつらいですが,向き合ってください。
具体的な手法の一例は,私も示します。参考になれば幸いです。

合格発表

今日は司法試験の合格発表ですね。

Blogの読者の方、Twitterのフォロワーさん、ハコ思考の受講者の方、ローの同期、後輩の皆様。

私に少しでも関わりのある受験生の方が合格する事を祈念しています。


受かれば世界はすごいスピードで動き出します。

その流れを一人でも多くの知人に楽しんでいただきたいな、と素直に思っています。


迷っている方は発表会場に見に行ってください。
どちらにしろ、発表というイベントのインパクトは強いに越した事がないはずです。


皆様の合格を祈念しています。

2013年9月8日日曜日

2020東京オリンピック

またブログタイトルを変更しました。
しっくりくるものがなかなか見つからず。受験記はしっくりきてたんですが。
ま、いずれ固定します。



本題。


本日(日本時間2013年9月8日午前5時)、イスタンブール、マドリードを破り、東京がオリンピックの開催地に決定しました!

懸念事項はあれど、決まったものは成功のため全力で取り組むのが世界に対する責任かなぁ、と思います。
そのために自分が何をすべきか、何ができるかなんてわからないのですが。


今回のオリンピック招致につき、色々な方が色々な感想を漏らしています。
皆、それぞれの専門的知見に基づき思いの丈を呟いている印象です。

と言う事で、私は月曜日の株価について・・・ではなく、今回は「問いに答える」ことの重要性について記載します。



今回のプレゼンターの一人である安倍首相のプレゼン、とても良いものだと思いました。
一方、プレゼン後の質疑応答はお世辞にも褒められたものではありませんでした。
司法試験の答案であれをやったら落ちかねない、と言うレベル。

「福島の汚染水の問題はどうなっているのか?」

という旨の問いかけに

状況はコントロールされている。私たちは決して東京にダメージを与えない」

と答えていました。


一見問題は有りません。
ただ、首相の答えはあくまで自己評価、主張にすぎないのです。

評価は自分でせず、相手が下すもの。

ここでは、根拠となる事実を語るべきでした。


なおも追及された結果、

「汚染水による影響は福島第一原発の港湾内で完全にブロックされている。日本の食品や水の安全基準は世界でも最も厳しく、健康問題は今もこれからも全く問題ないことを約束する」

という答えを言いました。


これも不十分だと感じます。


・完全にブロックされているのは事実か、評価か
・厳しい基準が守られているか

など、考慮すべき要素が考慮されていません。

もし、漏れがあってきっちり具体的事実を元に評価を加え返答されていたのであれば私の確認不足ですが、私が見た限りではこんな感じでした。



問われることに分かりやすく、簡潔に、根拠を添えて答えることにより説得力が生まれます。


司法試験で問われることと同じですね。


何が問われているか、どう答えれば分かりやすく答えられるかは考えすぎると言うことはないので、徹底的に考えるのが良いと思います。


・・・とはいえ、政治の世界では分かりやすく、答えることも問題があるのかもしれませんが。



とにかく、日本人として間近でプロの技術が見られるのは素晴らしいことなので、7年後に余裕があれば、生でオリンピック観戦してみたいものです!

2013年9月4日水曜日

婚外子差別違憲決定

婚外子相続分差別違憲決定
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20130904154932.pdf
が出ましたね。
それに関連して、最新判例の押さえ方について私が思うところを。

今回の判決は、来年の受験にはまず影響しないでしょう。


大体の基準ですが、新しい判例が出てから、最低、択一で出題されるまで1年半、論文で出題されるまで3年はかかります。
あくまで肌感覚ですが。


来年受験される方はとりあえず不安なら、違憲判断がなされたという結論だけ抑えておけば良いと思います。


同じ理由で、4月に出る重判は直前期にあえてまわす必要性はないな、と思っています。
仮に択一で出ても、他の部分をきっちり押さえていれば合格点が取れますし。


地に足をつけて学習しましょう。

*追記 :今回は「決定」ですね。