2013年10月12日土曜日

刑事弁護プラクティス

刑事弁護プラクティスを先日読了しました。


桜丘法律事務所の櫻井光政先生の著書で、季刊刑事弁護での連載
「桜丘だより」
をまとめたものだそうです。

連載ベースなので、1編10ページ弱程度で1つ1つの活動がまるで物語かのように読む事が出来ます。

平易な語り口で、先生の文章力と人柄まで感じる良い本でした。


と、これだけではおそらくなんの参考にもならないので

1.修習生(と、おそらく若手実務家も)
2.法学部生、受験生
3.一般の方

それぞれにオススメポイントを適示したいと思います。




1.修習生、(とおそらく若手実務家も)
実際の事件に若手弁護士・経験豊富な弁護士がいかに対応したか。それぞれの先生方の具体的な弁護活動が書かれています。
自分が同じような事案に当たった時の手がかりになるのではないか、その意味で非常に面白く読む事が出来ます。
(私も興味深く読ませていただきました)



2.受験生、法学部生。
知識の多寡を問わない本で、具体的な弁護士の仕事がかいています。
法学部生であれば法曹を志す方でなくても
「弁護士ってどんな仕事してるの?」
「何故犯罪者の味方をするの?」
などという問い掛けを受けた事があるはずです。
この本は、そのような問いに答えるヒントになる可能性があります。
さらに、受験生であれば、弁護士の仕事がイメージでき、日々の勉強のモチベーションアップが可能です。



3.一般の方。
分かっているようでわからない弁護士の仕事につき理解していただく一助となるのではないか、と感じます。

刑事弁護人、少年付添人が
事件終了、はい終わり!
とならないことを知っていただければ何よりです。




と、この本は誰が読んでも良い本だなぁと感じました。

法律関係の書籍の中ではあまり高価でもない(1995円)のでとてもオススメです!



最後に1つ、この本に関する疑問点を。


この本の中では大変熱心な先生方が一つ一つ、素晴らしい弁護を行っており、基本的に成果紹介というスタンスで書かれています。

もっとも、私が見聞きした範囲(一般の方でも少し調べればわかる範囲)では、犯罪を犯した方の再犯率は高く、少年が更生するのも本当に稀だという事です。


もちろん残念な結果に終わってしまった話もあるのですが、実際の結果につき、アフターストーリーをもっとみたかったなぁ、どうなっているのだろう、と感じました。

2 件のコメント:

  1. 弁護士さんからは不評なようで…立場によって評価は分かれますね(;´∀`)

    2013-10-12 - 帰ってきた弁護士独立開業マーケティング
    「人権弁護士」の異常性
    http://d.hatena.ne.jp/ypartner/20131012#1381577890

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    1. そうですね、もっとも、Blogを書かれた弁護士さんは櫻井先生の個別の手法を批判されているだけじゃないかな、と思います。
      私の書評と矛盾するものではないかと。

      確かに見方は違うかもしれませんが、依頼者である被疑者被告人のために何をすべきか、どのような弁護をすれば一番被疑者被告人の役に立つかということを追求している点で同じかとおもいます。

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